数学II / 指数関数・対数関数
対数関数のグラフ
問題
関数 について、定義域を答えよ。また、増加関数か減少関数かを答えよ。
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対数に入れられる数(真数)には制限があった。それがそのまま定義域になる。増加か減少かは、底と の大小で決まる。
解答・解説
方針
()のグラフの形を思い出す。真数 は正でなければならず、 なので右上がり(増加)。 を通る。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 — この関数は、 の逆関数である。
逆関数の性質から、答えが読める。
元の関数 :
- 定義域: 実数全体
- 値域:
逆関数 では、定義域と値域が入れかわる。
- 定義域: (元の値域)
- 値域: 実数全体(元の定義域)
「真数は正でなければならない」 — これが定義域 の正体だ。 を何乗しても正の数にしかならないのだから、負の数や の対数は存在しない。
増減も、逆関数に引き継がれる。
が増加関数なら、その逆関数 も増加関数。
( で折り返しても、"右上がり"は"右上がり"のまま。)
は の対数関数。
- 定義域:対数は真数が正のときだけ定義される。よって 。
- 増減: なので が増えると も増える。増加関数。
- なので点 を通る。
発展 — 一歩先へ。 指数関数と対数関数の「増え方」を比べると、天と地ほどの差がある。
| 宇宙の原子数を超える | ||||
指数は爆発し、対数は這うように増える。
が 万になっても、 はたった 。 これほど遅い増加は、他にない。
この「遅さ」が、コンピュータ科学では"速さ"を意味する。
アルゴリズムの計算量を考えよう。 個のデータから、目的のものを探す。
- 線形探索( つずつ調べる): 回 — 万個なら 万回
- 二分探索(半分に絞り込む): 回 — 万個でも、たった 回
万回 vs 回。 この差は、 時間かかる処理が 秒で終わるほどの違いだ。
二分探索とは。 辞書で単語を引くときの動作そのものである。まん中を開いて、目的の語が前か後ろかを判断し、半分を捨てる。 これを繰り返す。
回で になる( 万)。
「半分ずつ捨てる」→「 回で終わる」 — これがアルゴリズム設計の黄金律だ。
データベースの検索、ソート、ファイルシステム、GPS の経路探索 — 高速なアルゴリズムのほとんどが、 の計算量を達成することを目標にしている。
「 で済む」は、コンピュータ科学における最高の褒め言葉のひとつである。
対数関数の"遅さ"が、現代の情報技術の"速さ"を作っている。 数学の性質は、思わぬところで価値に変わる。
定義域:、増加関数
別解
「逆関数」という関係を、グラフで完全に理解しよう。 つの関数が、 枚の鏡で結ばれている。
値の表を、 つ並べる。
:
:
と が、そっくり入れかわっている!
座標を入れかえた点 — それは直線 に関する対称点である(座標の対称移動で学んだ通り)。
この 枚の鏡が、すべてを説明する。
| 鏡を通ると | ||
|---|---|---|
| 定義域: 実数全体 | → | 値域: 実数全体 |
| 値域: | → | 定義域: |
| 軸が漸近線 | → | 軸が漸近線 |
| 点 を通る | → | 点 を通る |
| 増加関数 | → | 増加関数 |
「対称に映すと、 と の役割が入れかわる」 — それだけのことだ。
軸が漸近線になる、という性質を確かめよう。
を に近づけると
どこまでも下へ落ちていく( へ)。 しかし には決して届かない — 軸は、触れられない壁だ。
これは、 で「 軸に近づくが届かない」ことの、鏡像である。
そして、逆関数の関係は「操作を打ち消し合う」ことも意味する。
「 乗する」と「 をとる」は、互いに打ち消し合う。 服を着て、脱げば、元に戻るように。
この"打ち消し合い"が、方程式を解くときの武器になる。
をとることで、指数の肩から が降りてきた。 逆関数とは、閉じ込められた変数を解放する鍵なのだ。
ポイント
- 対数の定義域は真数 ()。
- は増加、 は減少。どちらも を通る。
よくある間違い
- 定義域を実数全体としてしまう(真数は正なので )
- 値域を としてしまう(対数の値は負にも にもなる。値域は実数全体)
- でも値があると思ってしまう( 軸が漸近線で、 は定義されない)