数学II / 指数関数・対数関数

指数方程式(基本)

★ 基礎指数方程式

問題

次の方程式を解け。

(1)

(2)

ヒントを見る

右辺も左辺と同じ底の累乗で書けないか試す。両辺の底がそろえば、指数どうしを比べるだけ。(2)はどの底に統一するかをまず決めよう。

解答・解説

方針

両辺を同じ底の累乗にそろえる。底がそろえば、指数どうしが等しいと言える。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 指数方程式の鉄則は、両辺の底を揃えること。

(1)

のべきで書き直す。

底が同じなら、指数も同じ。

(2)

左辺の底を に直す。 だから

右辺は

「底を揃えて、指数を比べる」 — 指数関数が である(違う が同じ値を返さない)から、この推論が許される。

重要指数方程式は、両辺を同じ底の累乗にそろえ、指数を比べる

(1) なので、両辺が の累乗になる。

(2) 底を にそろえる。

xyOy=32x=5
y=2^x と y=32 の交点。2^x=32=2⁵ より x=5

発展 — 一歩先へ。 「底を揃えて指数を比べる」という推論が正しいのは、指数関数が だからである。

「違う指数からは、必ず違う値が出る」 — だから逆に、値が同じなら指数も同じだと言える。

なぜ という条件が必要か。

だと、 で、 が何であっても同じ値になる。 でない。

だから という方程式の解は「すべての実数」であり、指数を比べる推論は使えない。

という条件も、実は重要だ。

が負だとどうなるか。 を考えると

  • (正)
  • (負)
  • 実数では定義できない!

負の数の指数関数は、実数の範囲では"穴だらけ"になる。 だから指数関数の底は、正で、 でないと決められている。

この条件は、対数の底にもそのまま引き継がれる。

つの条件がついてまわる。

  • : 負の底では指数関数が定義できない
  • : を何乗しても で、 でない
  • 真数 : は必ず正なので、 は正の数しかありえない

この最後の条件(真数条件)が、対数方程式で命取りになる(問題 で見る)。

「条件がついている」ことには、必ず理由がある。 理由まで理解しておくと、条件を忘れなくなる。

(1) (2)

別解

底が揃えられない場合はどうするか。 そこで登場するのが対数だ。この問題を対数で解いてみると、対数の存在理由がはっきりする。

対数ルートで解く。

(1)

両辺の をとる。

左辺は、対数の定義から そのもの( 乗すると — だから「 の何乗か」の答えは )。

同じ答え

「対数をとる」とは、"何乗か"を取り出す操作である。指数の肩に乗っている を、地上に引きずり下ろす。

この式が、対数の存在理由そのものだ。

(2) も、対数をとれば

さて、対数の真価は「底が揃えられない」ときに現れる。

例: を解け。

のべきでは書けない。 のあいだだと分かるが、正確な値は?

底を揃える作戦は、ここで詰む。

対数なら、答えが書ける。

確かに のあいだだ ✓

を何乗すると になるか」という問いに、 という"名前"を与えた — それが対数の発明である。

が「 乗すると になる数」に与えられた名前であるのと、まったく同じ構造だ。

問い 答えの名前
乗して になる数は?
を何乗すると ?
になる角は?

「求まらない答えに、名前をつける」 — これが数学の常套手段だ。名前をつけた瞬間、その数を式の中で自由に使えるようになる。

そして名前をつけた後で、その性質を調べる。 なら「和が積になる」という驚くべき性質が見つかった — 次の問題で、それを学ぶ。

ポイント

  • 両辺を同じ底の累乗に → 指数を比べる。
  • を使って底をそろえる。

よくある間違い

  • のべき()に直せず、方程式が解けない
  • の変形で、マイナスをつけ忘れる
  • 底を揃えずに、指数だけを見比べてしまう(底が違えば指数は比べられない)