数学II / 指数関数・対数関数
指数方程式(基本)
問題
次の方程式を解け。
(1)
(2)
ヒントを見る
右辺も左辺と同じ底の累乗で書けないか試す。両辺の底がそろえば、指数どうしを比べるだけ。(2)はどの底に統一するかをまず決めよう。
解答・解説
方針
両辺を同じ底の累乗にそろえる。底がそろえば、指数どうしが等しいと言える。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 指数方程式の鉄則は、両辺の底を揃えること。
(1)
を のべきで書き直す。
底が同じなら、指数も同じ。
(2)
左辺の底を に直す。 だから
右辺は 。
「底を揃えて、指数を比べる」 — 指数関数が 対 である(違う が同じ値を返さない)から、この推論が許される。
(1) なので、両辺が の累乗になる。
(2) 底を にそろえる。、。
発展 — 一歩先へ。 「底を揃えて指数を比べる」という推論が正しいのは、指数関数が 対 だからである。
「違う指数からは、必ず違う値が出る」 — だから逆に、値が同じなら指数も同じだと言える。
なぜ という条件が必要か。
だと、 で、 が何であっても同じ値になる。 — 対 でない。
だから という方程式の解は「すべての実数」であり、指数を比べる推論は使えない。
という条件も、実は重要だ。
が負だとどうなるか。 を考えると
- → (正)
- → (負)
- → — 実数では定義できない!
負の数の指数関数は、実数の範囲では"穴だらけ"になる。 だから指数関数の底は、正で、 でないと決められている。
この条件は、対数の底にもそのまま引き継がれる。
つの条件がついてまわる。
- 底 : 負の底では指数関数が定義できない
- 底 : を何乗しても で、 対 でない
- 真数 : は必ず正なので、 の は正の数しかありえない
この最後の条件(真数条件)が、対数方程式で命取りになる(問題 で見る)。
「条件がついている」ことには、必ず理由がある。 理由まで理解しておくと、条件を忘れなくなる。
(1) (2)
別解
底が揃えられない場合はどうするか。 そこで登場するのが対数だ。この問題を対数で解いてみると、対数の存在理由がはっきりする。
対数ルートで解く。
(1)
両辺の をとる。
左辺は、対数の定義から そのもの( を 乗すると — だから「 は の何乗か」の答えは )。
同じ答え ✓
「対数をとる」とは、"何乗か"を取り出す操作である。指数の肩に乗っている を、地上に引きずり下ろす。
この式が、対数の存在理由そのものだ。
(2) も、対数をとれば
さて、対数の真価は「底が揃えられない」ときに現れる。
例: を解け。
は のべきでは書けない。 、 — は と のあいだだと分かるが、正確な値は?
底を揃える作戦は、ここで詰む。
対数なら、答えが書ける。
。 確かに と のあいだだ ✓
「 を何乗すると になるか」という問いに、 という"名前"を与えた — それが対数の発明である。
が「 乗すると になる数」に与えられた名前であるのと、まったく同じ構造だ。
| 問い | 答えの名前 |
|---|---|
| 乗して になる数は? | |
| を何乗すると ? | |
| が になる角は? |
「求まらない答えに、名前をつける」 — これが数学の常套手段だ。名前をつけた瞬間、その数を式の中で自由に使えるようになる。
そして名前をつけた後で、その性質を調べる。 なら「和が積になる」という驚くべき性質が見つかった — 次の問題で、それを学ぶ。
ポイント
- 両辺を同じ底の累乗に → 指数を比べる。
- を使って底をそろえる。
よくある間違い
- を のべき()に直せず、方程式が解けない
- の変形で、マイナスをつけ忘れる
- 底を揃えずに、指数だけを見比べてしまう(底が違えば指数は比べられない)