数学II / 式と証明
値の偶奇から整数解がないことを示す
問題
を整数係数の多項式とする。 と がともに奇数ならば、方程式 は整数の解をもたないことを示せ。
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整数 での値 について、わかっている値 と比べたい。 や の偶奇はどうなっているか — の偶奇で分けて見ると。
解答・解説
方針
整数解 r があったとして偶奇で矛盾を出す。r が偶数なら f(r) と f(0) の差は偶数、r が奇数なら f(r) と f(1) の差は偶数 — どちらにしても f(r) は奇数となり、0(偶数)にはなれない。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「整数解をもたない」ことの証明は、余り(ここでは偶奇 = 2で割った余り)の世界で矛盾を出すのが定石だ。
手がかりは と の2つの値だけ。そこで「任意の整数 での値 は、 の偶奇に応じて か と偶奇が一致する」ことを示す。すると はいつでも奇数で、0(偶数)にはなれない。
① が偶数のとき。 とすると
右辺の各項は (偶数)を因数にもつから偶数。よって と の偶奇は一致し、 は奇数。
② が奇数のとき。
各 は (偶数)を因数にもつから偶数。よって と の偶奇は一致し、 は奇数。
③ 結論。 どちらの場合も、整数 に対して は奇数。奇数は0でないから、 は整数の解をもたない。
まとめ: と という2つの窓が、すべての整数での値の偶奇を見張っている。偶数を入れれば 側、奇数を入れれば 側と偶奇がそろうからだ。整数解の存在を素早く否定できる、整数係数多項式の基本装備になる。
発展 — 一歩先へ。 この判定は「 が奇数なら整数解なし」と1つの積にまとめられる。裏返すと、「整数解をもつなら は偶数」— 整数解の必要条件として、方程式を解く前の検問に使える。
証明(整数 に対し は または と偶奇が一致し、常に奇数 ≠ 0)
別解
因数定理と連続整数で(得意な人向け)。 合同式を使わずに、因数分解の形から一撃で出す道もある。
整数解 があったとする。因数定理により、整数係数の多項式 を使って
と書ける(整数係数で割り切れることは、割り算を実行すれば確かめられる)。 と を代入すると
掛け合わせて
ここで と は連続する整数だから、どちらかは必ず偶数。よって は偶数だ。
ところが仮定から は奇数×奇数=奇数。矛盾。よって整数解は存在しない。
「連続整数の積は偶数」という一粒の事実が、方程式全体の運命を決める。合同式ルート(本解)と因数定理ルート、好みで選べる2本立てだ。
ポイント
- 偶数 → 、 奇数 → (mod 2)。
- どちらでも は奇数。
- 奇数 ≠ 0 だから整数解なし。
よくある間違い
- が偶数の場合だけ調べて閉じる。奇数の は と比べる。2つの窓の両方が要る。
- が偶数であることを「奇数のべきだから」などで済ませる。 を因数にもつ、という因数分解が根拠。
- 結論を「実数解をもたない」と書いてしまう。否定できるのは整数解だけ。たとえば は (ともに奇数)で整数解をもたないが、実数解 はもつ。