数学II / 式と証明
積の形の望遠鏡式
問題
を2以上の自然数とする。次の積を求めよ。
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和がダメなら因数分解 — は2つの分数の積に割れる。割れた2系列をそれぞれ並べて書き出すと、隣どうしで何が起きるか。
解答・解説
方針
各因子を と因数分解すると、分子と分母が1つずつずれた2つの積に分かれ、それぞれが階段状に約分されて端だけが残る(積の望遠鏡)。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 和の計算に「差の形に割って畳む」(部分分数)があるように、積の計算では「積の形に割って約分の連鎖を起こす」のが対応する定石だ。
は和と差の積で
と割れる。 の系列と の系列に分けて掛けると、どちらも隣との約分が階段状に連鎖して、端の数だけが生き残る。
① 2系列に分ける。
② それぞれ畳む。 前の系列は
(分子と次の分母が次々に消える。)後の系列は
③ 掛け合わせる。
確かめ: なら で、 ✓。
まとめ: 「和の望遠鏡(部分分数)」の積バージョン。因数分解 → 系列を分ける → 階段状の約分、の3拍子だ。分けたそれぞれの積がきれいに畳まれる形(分子と分母が1ずれ)を見抜くのが急所。
発展 — 一歩先へ。 を限りなく大きくすると、積は に近づく。無限個の「1より小さい数」を掛け続けたのに、0に潰れずに で踏みとどまる — 無限積が0になるかどうかは、各因子が1にどれだけ速く近づくかで決まる。その感覚の入り口になる例だ。
別解
数学的帰納法で閉じる(確実ルート)。 答えの形 に見当がついたら(小さい の実験でも見つかる)、帰納法で固めるのが確実だ。
のとき: 左辺 、右辺 で成立。
で成り立つと仮定する。 では、仮定の積に次の因子を掛けて
これは求める式の を に置き換えた形そのもの。よってすべての で成り立つ。
途中の約分( が消え、 が消える)が気持ちよく決まるのは、答えの形が正しい証でもある。「実験で予想 → 帰納法で確定」は、閉じた式を求める問題の安全網として、望遠鏡と並ぶ二枚看板だ。
ポイント
- に割る。
- 2系列がそれぞれ と に畳まれる。
- 積は (大 で に近づく)。
よくある間違い
- 積を から始めてしまう。 で全体が0になる。範囲()の確認が最初。
- 2系列の畳みで残る端を取り違える。前系列は先頭の分子 と末尾の分母 、後系列は末尾の分子 と先頭の分母 。
- の検算を省く。1行で式全体のミスが検出できる、最も安い保険。