数学II / 式と証明
n+1個の条件をみたす多項式の次の値
問題
を自然数とする。 次多項式 が
を満たすとき、 の値を求めよ。
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個の条件から係数を求めるのは手に負えない。条件の式を分母を払って「= 0」の形に書き替えると、ある多項式がたくさんの零点をもつ、という言明にならないか。零点がその個数だけあれば、多項式の形はほぼ決まる。
解答・解説
方針
係数を求めにいくのは無謀。条件 f(k)=k/(k+1) を「(k+1)f(k)−k=0」と読み替えると、g(x)=(x+1)f(x)−x という n+1 次式が x=0,1,…,n を零点にもつ。因数定理で g の形が決まり、残る定数は g(−1) で確定する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 の係数を連立方程式で求めるのは、 が一般では不可能だ。条件 の分母を払って「=0」の形に直すと、景色が変わる。
。つまり多項式
は の 個を零点にもつ。 は 次だから、因数定理よりこれで因数がすべて出そろい、 と、定数 を残して確定する。
は、まだ使っていない特別な点 ( が消える点)を代入すれば求まる。
① の形を決める。 は次数 で、()。よって
② で を決める。 。一方
よって 。
③ を代入する。
したがって
すなわち が奇数なら 、偶数なら 。
まとめ: 「値の条件」を「零点の条件」に翻訳して、因数定理で仕留める。分母を払ってできる の次数がちょうど零点の個数と合う瞬間に、問題は事実上解けている。 という「仕掛けが消える点」を定数決定に使う呼吸も込みで覚えたい。
発展 — 一歩先へ。 同じ設計はそっくり使い回せる。たとえば「 次の が ()を満たすとき は?」なら、 とおけばよい。「分母を払って零点」は、この一族すべての合鍵だ。
が奇数のとき 、偶数のとき (まとめて )
別解
を書き下ろして眺める(具体で信じるルート)。 ①②の結果を について解くと、 そのものが1本の式になる:
分子は で となるから、ちゃんと で割り切れて、 は多項式になる(検算にもなっている)。
で試すと気持ちがいい。 で
たしかに を満たす1次式で、。「 が奇数なら 」の最小例が、 という素朴な式で目の前に現れる。
一般論(本解)で答えを出し、小さい の明示式で手触りを確かめる。抽象と具体の往復が、この種の問題をほんとうに自分のものにする。
ポイント
- が を零点にもつ。
- から 。
- (奇数なら1、偶数なら )。
よくある間違い
- 係数を連立方程式で求めにいく。 が一般だと手も足も出ない。「分母を払って零点」への翻訳が入り口。
- の次数()と零点の個数()が一致していることを確認せずに、定数 を残した形を断定する。
- の決定に を使おうとする。そこには未知の が入っていて循環する。使えるのは仕掛けの消える 。