数学II / 式と証明

分数式の最小値(相加相乗)

★★ 標準相加平均・相乗平均

問題

のとき、 の最小値を求めよ。また、そのときの の値を求めよ。

ヒントを見る

分子の次数が分母より高いときは、まず割り算して『多項式 + 分数』の形に直す。すると、和の最小値でおなじみの形が顔を出す。置きかえると見やすい。等号成立の値が範囲に入っているかも確認。

解答・解説

方針

そのままでは相加相乗が使いにくい。 と置きかえて、 の形に持ちこむ。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 分子が2次・分母が1次の分数式。このままでは道具が効かない。

分母 をひとかたまりに、()と置きかえる。分子を で書き直すと

「変数+定数/変数」の形が現れた。積が定数 の2数の和だから、相加相乗の出番だ。等号成立の が範囲()に入るかの検分まで含めて1セットである。

公式相加平均・相乗平均の関係 ()

とおく( より )。分子は平方完成すると なので

なので相加相乗より

等号は 、つまり ( で範囲内)のとき。 より ()。

よって のとき最小値

( と平方完成して で置きかえるのがカギ。等号がとれる が範囲内かの確認も忘れずに。)

xyO最小 2√2
y=(x²+2x+3)/(x+1)(x>0)。最小 2√2≈2.83(x=√2−1)

発展 — 一歩先へ。 相加相乗で最小値を求めるとき、本当の主役は「等号が成立できるか」の検分だ。もし定義域が なら、等号点 は範囲外となり、相加相乗の は「到達できない下界」にすぎなくなる(そのときは単調性で端の値が最小になる)。

数学IIIに進むと、この種の分数関数の増減は微分で機械的に調べられるようになる。相加相乗・逆手流・微分の3本の道を持つのが最終形だ。

のとき最小値

別解

とおいて、実数解の存在条件から の範囲を出す」逆手流でも解ける。

とおき、分母を払って整理すると

この方程式が の解を持つような の範囲が、そのまま関数のとりうる値の範囲だ。

判別式は 。実数解には (今の設定では 側)が必要になる。

境目の では重解 で、範囲の条件も満たす。よって最小値 ()。

「関数の値域=方程式が解を持つ の集合」という発想の転換は、分数関数・2変数の最大最小で広く効く高等技術だ。相加相乗と答えが一致することが、双方の検算になる。

ポイント

  • そのままでは使えない → 置きかえで の形に
  • 分子を平方完成すると置きかえが見える
  • 等号成立の が変域内か確認する

よくある間違い

  • 置きかえずに、分子と分母へ別々に相加相乗を当てはめようとする
  • 等号成立の (または )が定義域に入るかの検分を飛ばす
  • 分子の書き直し()で、 の代入計算を誤る