数学II / 式と証明
分数式の最小値(相加相乗)
問題
のとき、 の最小値を求めよ。また、そのときの の値を求めよ。
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分子の次数が分母より高いときは、まず割り算して『多項式 + 分数』の形に直す。すると、和の最小値でおなじみの形が顔を出す。置きかえると見やすい。等号成立の値が範囲に入っているかも確認。
解答・解説
方針
そのままでは相加相乗が使いにくい。 と置きかえて、 の形に持ちこむ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 分子が2次・分母が1次の分数式。このままでは道具が効かない。
分母 をひとかたまりに、()と置きかえる。分子を で書き直すと
「変数+定数/変数」の形が現れた。積が定数 の2数の和だから、相加相乗の出番だ。等号成立の が範囲()に入るかの検分まで含めて1セットである。
とおく( より )。分子は平方完成すると なので
なので相加相乗より
等号は 、つまり ( で範囲内)のとき。 より ()。
よって のとき最小値 。
( と平方完成して で置きかえるのがカギ。等号がとれる が範囲内かの確認も忘れずに。)
発展 — 一歩先へ。 相加相乗で最小値を求めるとき、本当の主役は「等号が成立できるか」の検分だ。もし定義域が なら、等号点 は範囲外となり、相加相乗の は「到達できない下界」にすぎなくなる(そのときは単調性で端の値が最小になる)。
数学IIIに進むと、この種の分数関数の増減は微分で機械的に調べられるようになる。相加相乗・逆手流・微分の3本の道を持つのが最終形だ。
のとき最小値
別解
「 とおいて、実数解の存在条件から の範囲を出す」逆手流でも解ける。
とおき、分母を払って整理すると
この方程式が の解を持つような の範囲が、そのまま関数のとりうる値の範囲だ。
判別式は 。実数解には (今の設定では 側)が必要になる。
境目の では重解 で、範囲の条件も満たす。よって最小値 ()。
「関数の値域=方程式が解を持つ の集合」という発想の転換は、分数関数・2変数の最大最小で広く効く高等技術だ。相加相乗と答えが一致することが、双方の検算になる。
ポイント
- そのままでは使えない → 置きかえで の形に
- 分子を平方完成すると置きかえが見える
- 等号成立の が変域内か確認する
よくある間違い
- 置きかえずに、分子と分母へ別々に相加相乗を当てはめようとする
- 等号成立の (または )が定義域に入るかの検分を飛ばす
- 分子の書き直し()で、 の代入計算を誤る