数学II / 式と証明

2乗の和の積の不等式

★★ 標準不等式の証明

問題

を実数とする。 が成り立つことを証明せよ。また、等号が成り立つ条件を述べよ。

ヒントを見る

左辺と右辺をそれぞれ展開して差をとる。うまく整理すると『何かの 乗』にまとまる。

解答・解説

方針

『左辺 右辺』を計算して、 乗の形にまとめる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 大小を示す基本は「差をとる」。左辺から右辺を引いて、 以上だと分かる形(平方の形)にまとめにいく。

展開すると は打ち消し合い、残るのは

これは 。2乗だから 以上で、証明が終わる。等号は のとき。「差を平方に押し込む」型の代表格だ。

差をとる。左辺・右辺を展開して

乗は 以上だから 。よって

等号は 、つまり のとき。

(これはコーシー・シュワルツの不等式の基本形。差が 乗になるのが証明のカギだ。)

発展 — 一歩先へ。 この不等式はコーシー・シュワルツの不等式と呼ばれ、数学の全域で使われる大物だ。ベクトルの言葉では 、つまり「内積は長さの積を超えない」( を超えない)ことを言っている。

文字を増やした も、別解の2次関数方式ならそのまま証明できる(平方の数が3つに増えるだけだ)。差の平方方式では項の整理が大変になるので、一般化には判別式方式が強い。

。等号は (証明は解答参照)

別解

2次関数の判別式から出す、視点の高い証明もある。

の関数 を考える。2乗の和だから、どんな でも だ。

展開して について整理すると

のとき、下に凸の放物線が 軸より下に潜らない条件は、判別式が 以下。

移項すれば示したい不等式そのものだ。等号は となる がある場合、つまり かつ 、比の言葉で

「うまい2次関数を作って判別式で落とす」この設計は、より多くの文字の不等式にもそのまま伸びる、汎用性の高い型である。

ポイント

  • 差をとって展開 → 乗にまとめる
  • で証明できる
  • 等号は

よくある間違い

  • 展開の途中でミスして にたどり着けない
  • 等号条件を書き忘れる
  • 等号条件を の形だけで書き、 など分母が の場合の表現に無頓着になる( の積の形が安全)