数学II / 式と証明
条件つき等式の証明
問題
のとき、 が成り立つことを証明せよ。
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『左辺 − 右辺 = 0』を示す形で見ると、主役は 。これが を因数に持つ形に直せないか。直せた瞬間、条件とつながる。
解答・解説
方針
『左辺 右辺 』を示す。 には有名な因数分解があり、その因数に が現れる — 条件を使うとそこが になる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「 のとき」— 条件をどこで使うかが、この証明の勝負どころだ。
素朴に を展開しようとしても、手がかりがない。
そこで証明したい式を、差の形にする。
そして、この左辺には有名な因数分解がある。
第 因数が !
条件より だから、この因数が 。掛け算のどこかが なら、全体が 。
証明終わり。 公式を知っていれば 行だ。「条件を代入する」のではなく「条件を因数として取り出す」 — これが発想の転換である。
示したいのは『』。この式には有名な因数分解がある。
ここで条件 を使うと、右辺の最初の因数が になる。
よって 、つまり
が成り立つ。
(条件つきの等式証明は、『左辺 右辺』を作って、条件がうまく効く形に変形するのが基本だ。)
発展 — 一歩先へ。 因数分解
の第 因数は、実は平方の和に書き直せる。
(展開して確かめてみてほしい。)これは必ず 以上である。
すると、、、 がすべて 以上のとき
これは 変数の相加平均・相乗平均の関係そのものだ(、、 と置けば )。
等号成立は、平方が全部 のとき — つまり のときである。
つの因数分解が、 つの顔を持っていた。
- のとき → 等式
- のとき → 不等式
因数分解は、等式と不等式の両方を生む。 「積の形」に持ち込むことの価値は、 になる条件が見えるだけでなく、符号が読めることにもある — 次の不等式の証明へ、話がつながっていく。
で、 より (証明は解答参照)
別解
公式を知らなくても、力ずくで証明できる。 「 文字を消す」という、条件つき等式の王道ルートだ。むしろ、こちらを先に身につけたい。
条件を「 について解く」。
これを、証明したい式に代入する。 文字が 文字になり、条件が消える。
左辺 を計算する。
を展開する。
引く。
右辺 も計算する。 だから
両辺が、同じ形になった。
証明終わり。 公式を つも使っていない。展開と代入だけである。
この方法の何がよいか。
つ目: 忘れようがない。 「条件から 文字を消して、代入する」— それだけだ。 の因数分解は忘れても、この手順は忘れない。
つ目: どんな条件つき等式にも通用する。 「 のとき 」のような問題でも、同じく を消せばよい。
弱点は、計算量が増えること。 文字が絡む複雑な式では、展開が長くなる。公式ルート( 行)と力ずくルート( 行) — 時間との相談だ。
そして、 つのルートは互いを照らす。 なぜ が で割り切れるのか — それは、 のときに になるからだ(因数定理と同じ理屈)。
力ずくで示した事実が、公式の存在理由を説明している。 遠回りに見えたルートが、実は公式の根っこを掘り当てていた。
なお、この等式には美しい系がある。 のとき
たとえば 、、 なら
確かに一致する。 具体例で確かめる習慣も、証明への信頼を支えてくれる。
ポイント
- 等式の証明は『左辺 右辺 』を示す
- の因数分解
- 条件 が因数を にする
よくある間違い
- 因数分解の公式を思い出せず、力ずくで展開して行き詰まる
- 条件をどこで使うか(第1因数が )に気づかない
- を代入するとき、 の符号を落とす(3乗なのでマイナスが残る)