数学II / 式と証明

分数式の加法・減法

★ 基礎分数式

問題

次の式を計算せよ。

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分母が違う分数は、そのままでは引けない。両方の分母を含む共通の分母にそろえてから、分子どうしを計算しよう。

解答・解説

方針

分母がちがう分数の引き算は、通分してから。分母の最小公倍数(ここでは )にそろえる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 分数の足し引きは通分から。分数式でも同じだ。

分母は 共通の分母は、 つを掛けたもの。

それぞれの分数を、共通の分母に書き直す。

分子を引く。ここが最大の急所だ。

引くほうにはカッコがついている。 展開すると

としてしまうのが、この単元で最も多い事故である。引き算のカッコは、必ず書いてから開く。

分母をそろえる。共通の分母は 。第1項は分子・分母に を、第2項は をかける。

分子どうしを引く。引くほうはカッコをつけて、符号に注意する。

(引き算のとき と、符号がすべて変わるところが最大の注意点だ。)

発展 — 一歩先へ。 分数式をばらす技が、いちばん劇的に効くのが数列の和である。

このまま足そうとしても手が出ない。しかし部分分数に分解すると

書き並べてみる。

隣どうしが、次々に打ち消し合う。 残るのは、最初と最後だけ。

個の項の和が、 項の引き算に畳み込まれた。

望遠鏡の筒が縮むように、途中が全部消える — この現象を望遠鏡和と呼ぶ。

しかも、 とすれば

無限個の分数を足したのに、答えはぴったり

ばらす技 つで、無限和が解けてしまった。 「通分の逆をやる」という地味な作業が、こんな景色に通じている — 計算技術は、それ自体が目的ではなく、遠くへ行くための足なのだ。

別解

この計算は、後で学ぶ「部分分数分解」の逆向きになっている。その関係を知っておくと、両方が身につく。そのうえで、数値検算の習慣を固めよう。

まず検算。 を代入する。

元の式:

答えの式:

でも試す。

元の式:

答えの式:

点で合った。符号ミスをしていない証拠だ。

分数式の計算では、この検算がとりわけ効く。 の符号を間違えると という(約分できてしまう)違う答えになるが、 を入れれば となり、正しい と合わない — 一瞬でミスが露見する。

さて、この計算を逆から見てみよう。

いま作ったのは、こういう変形だった。

つの簡単な分数を、 つのややこしい分数にまとめた。

では、逆はできるか? つまり を見て、分解できるか。

これが部分分数分解である。次の問題で正面から学ぶ技だ。

とおいて を求めれば、 が出てくる。

通分は「まとめる」、部分分数分解は「ばらす」。 つは互いの逆操作だ。

なぜ「ばらす」必要があるのか。 分数式は、ばらしたほうが扱いやすい場面が多いからだ。

  • 数列の和: とばらすと、次々に打ち消し合って和が求まる(望遠鏡のように畳まれる)
  • 積分(数III): はそのままでは積分できないが、 にばらせば、 の形で積分できる

ばらすと、道具が使えるようになる。

通分の練習は、部分分数分解の準備運動なのだ。「まとめる」と「ばらす」— どちらの向きにも自由に行き来できるようになることが、この単元の目標である。

ポイント

  • 分母のちがう分数は通分してそろえる
  • 引くほうの分子はカッコでくくり、符号をすべて変える
  • 最後に約分できないか確認

よくある間違い

  • とする(正しくは )
  • 通分せずに分子・分母を別々に引く
  • 通分したあと、分子の同類項をまとめ忘れる(検算は に数値を代入する)