数学II / 式と証明
単位円上の点の不等式
問題
実数 、、、 が 、 を満たすとき、 が成り立つことを証明せよ。
ヒントを見る
『 乗の和どうしの積は、積の和の 乗以上』という形の不等式を思い出せるか。条件の を流し込むと、 の上限が見える。
解答・解説
方針
(コーシー)に条件を入れると、。あとは 。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 コーシー・シュワルツ に、条件 、 を流し込む。
すると 。あとは絶対値ではさめば が出る。
「証明済みの強い不等式に条件を代入する」。この道具の再利用が発想だ。
公式コーシー・シュワルツの不等式
条件 、 を代入すると
乗が 以下なので 。よって特に
が成り立つ。
(等号は かつ条件を満たすとき、つまり のとき成り立つ。)
発展 — 一歩先へ。 を固定し、 を単位円上の点 の関数として最大化してみる。
最大は のときで、値は 。つまり「半径 の円上で 次式 を最大化する」と、答えは係数ベクトルの長さ に等しい。
一般に、半径 の円 上での の最大値は 。円や領域の上で 次式を最大化するのは線形計画法の考え方で、最大を与える境界の点が、係数ベクトルの向きを表している。
答
コーシーの不等式より 、よって (証明は解答参照)
別解
別解 — 角で表して余弦に読みかえる(苦手な人向けの幾何ルート)。 点は単位円上にあるから、角度で表せる。
、、、 とおく。すると
余弦は必ず 以下だから 。等号は 、すなわち 点が一致する のとき。
が「 点のなす角の余弦」だと見えるのがこのルートの利点で、図の がそのまま効く。本解と同じ答えだ。
ポイント
- コーシーの不等式に条件を代入して上限を出す
- から
- 『 乗が 以下 → 値は の間』
よくある間違い
- から への橋渡しを飛ばし、 乗のまま結論しようとする。
- コーシー・シュワルツの向き(積の 乗が 乗和の積以下)を逆に覚え、不等号を反対にしてしまう。
- 角で表す別解で を と混同し、加法定理を誤って適用する。