数学II / 式と証明

単位円上の点の不等式

★★★ 応用不等式の証明

問題

実数 を満たすとき、 が成り立つことを証明せよ。

ヒントを見る

乗の和どうしの積は、積の和の 乗以上』という形の不等式を思い出せるか。条件の を流し込むと、 の上限が見える。

解答・解説

方針

(コーシー)に条件を入れると、。あとは

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 コーシー・シュワルツ に、条件 を流し込む。

すると 。あとは絶対値ではさめば が出る。

「証明済みの強い不等式に条件を代入する」。この道具の再利用が発想だ。

公式コーシー・シュワルツの不等式

条件 を代入すると

乗が 以下なので 。よって特に

が成り立つ。

(等号は かつ条件を満たすとき、つまり のとき成り立つ。)

(a,b)(x,y)θO
単位円上の2点 (a,b),(x,y)。ax+by は なす角θ の cos。θ=0(2点が一致)で最大1 ⇒ ax+by≤1

発展 — 一歩先へ。 を固定し、 を単位円上の点 の関数として最大化してみる。

最大は のときで、値は 。つまり「半径 の円上で 次式 を最大化する」と、答えは係数ベクトルの長さ に等しい。

一般に、半径 の円 上での の最大値は 。円や領域の上で 次式を最大化するのは線形計画法の考え方で、最大を与える境界の点が、係数ベクトルの向きを表している。

コーシーの不等式より 、よって (証明は解答参照)

別解

別解 — 角で表して余弦に読みかえる(苦手な人向けの幾何ルート)。 点は単位円上にあるから、角度で表せる。

とおく。すると

余弦は必ず 以下だから 。等号は 、すなわち 点が一致する のとき。

が「 点のなす角の余弦」だと見えるのがこのルートの利点で、図の がそのまま効く。本解と同じ答えだ。

ポイント

  • コーシーの不等式に条件を代入して上限を出す
  • から
  • 乗が 以下 → 値は の間』

よくある間違い

  • から への橋渡しを飛ばし、 乗のまま結論しようとする。
  • コーシー・シュワルツの向き(積の 乗が 乗和の積以下)を逆に覚え、不等号を反対にしてしまう。
  • 角で表す別解で と混同し、加法定理を誤って適用する。