数学II / 式と証明
部分分数と和の計算
問題
次の問いに答えよ。
(1) が成り立つことを確かめよ。
(2) (1)を用いて を求めよ。
ヒントを見る
(1) の等式をよく見ると『隣どうしの差』の形をしている。この形の和をとると何が起きるか — 途中が消えて端だけ残る現象を思い出せるか。
解答・解説
方針
(1)は右辺を通分して左辺になることを確認。(2)は(1)を代入すると、隣どうしが打ち消し合う『望遠鏡和』になり、最初と最後だけ残る。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 で部分分数の形を用意し、 でそれを和に代入する。
すると隣どうしが打ち消し合い、両端だけが残る。いわゆる望遠鏡和だ。
「バラして、隣接項を相殺させ、両端だけ残す」。これが和の計算の定跡で、 は のための道具立てだと見抜く。
(1) 右辺の を、共通因数 でくくる。
これを 倍すると 。確かに成り立つ。
(2) (1)より
中身は隣の項どうしが打ち消し合う(望遠鏡和)。 の と、 の だけが残る。
通分して整理する。
発展 — 一歩先へ。 同じ手は、より長い積 にも効く。
一般に と、隣接項の差に書ける。だから和はいつでも望遠鏡和になり、両端だけが残る。
隣り合う項の差で表して和を求めるこの操作は、積分の離散版にあたる差分法だ。 なら 、 が今回、と同じ枠組みで一般化できる。
(2)
別解
別解 — 答えを予想して数学的帰納法で固める(得意な人向けの別論法)。 望遠鏡和を使わず、求める式 を仮に置き、帰納法で確かめる。
では左辺 、右辺 で一致する。
で成り立つとして、次の項 を足す。通分すると分子は で、これは と因数分解できる。約分すると和は
となり、 の を に置きかえた形にちょうど等しい。よってすべての で成り立つ。相殺のしくみを追う本解に対し、帰納法は「予想した式を階段状に確定する」別の論理だ。本解と同じ答えだ。
ポイント
- 部分分数に分けると『望遠鏡和』で大半が打ち消える
- 残るのは最初と最後の項だけ
- の係数を最後まで持ち運ぶ
よくある間違い
- 相殺する項の対応を取り違え、最初の と最後の 以外まで消してしまう。
- 全体に掛かる係数 を途中で落とし、答えを 倍にしてしまう。
- を など別の形に分け、望遠鏡和がうまく閉じない形へ持ち込む。