数学II / 式と証明

部分分数と和の計算

★★★ 応用部分分数分解

問題

次の問いに答えよ。

(1) が成り立つことを確かめよ。

(2) (1)を用いて を求めよ。

ヒントを見る

(1) の等式をよく見ると『隣どうしの差』の形をしている。この形の和をとると何が起きるか — 途中が消えて端だけ残る現象を思い出せるか。

解答・解説

方針

(1)は右辺を通分して左辺になることを確認。(2)は(1)を代入すると、隣どうしが打ち消し合う『望遠鏡和』になり、最初と最後だけ残る。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 で部分分数の形を用意し、 でそれを和に代入する。

すると隣どうしが打ち消し合い、両端だけが残る。いわゆる望遠鏡和だ。

「バラして、隣接項を相殺させ、両端だけ残す」。これが和の計算の定跡で、 のための道具立てだと見抜く。

(1) 右辺の を、共通因数 でくくる。

これを 倍すると 。確かに成り立つ。

(2) (1)より

中身は隣の項どうしが打ち消し合う(望遠鏡和)。 と、 だけが残る。

通分して整理する。

発展 — 一歩先へ。 同じ手は、より長い積 にも効く。

一般に と、隣接項の差に書ける。だから和はいつでも望遠鏡和になり、両端だけが残る。

隣り合う項の差で表して和を求めるこの操作は、積分の離散版にあたる差分法だ。 なら が今回、と同じ枠組みで一般化できる。

(2)

別解

別解 — 答えを予想して数学的帰納法で固める(得意な人向けの別論法)。 望遠鏡和を使わず、求める式 を仮に置き、帰納法で確かめる。

では左辺 、右辺 で一致する。

で成り立つとして、次の項 を足す。通分すると分子は で、これは と因数分解できる。約分すると和は

となり、 に置きかえた形にちょうど等しい。よってすべての で成り立つ。相殺のしくみを追う本解に対し、帰納法は「予想した式を階段状に確定する」別の論理だ。本解と同じ答えだ。

ポイント

  • 部分分数に分けると『望遠鏡和』で大半が打ち消える
  • 残るのは最初と最後の項だけ
  • の係数を最後まで持ち運ぶ

よくある間違い

  • 相殺する項の対応を取り違え、最初の と最後の 以外まで消してしまう。
  • 全体に掛かる係数 を途中で落とし、答えを 倍にしてしまう。
  • など別の形に分け、望遠鏡和がうまく閉じない形へ持ち込む。