数学II / 式と証明
二項係数の積の和
問題
の両辺で の係数を比べることにより、次の等式を確かめよ。
また、その値を求めよ。
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左辺の積で の項を作るには、 つの因数から次数をどう分担して取り出すか — その数え上げがそのまま左辺の係数になる。右辺は つの式の係数として直接数える。
解答・解説
方針
左辺 で の項は『一方から 、他方から 』の組み合わせの和。右辺 の の係数は 。両者は等しい。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 の和は、直接計算しなくても係数比較で出せる。
同じ多項式 を、 と分けて書く。両辺で の係数を比べればよい。
「同じ式を 通りに書き、特定の項の係数を照合する」。この係数比較が、組合せ論的な恒等式を生む強力な道具だ。
左辺 で の項を作るには、 から ()、 から を取り出してかける。その係数の積を足すと、 の係数は
一方、右辺 の の係数は 。左辺と右辺は同じ式だから、 の係数も等しい。値は
(『同じ式を2通りに展開して係数を比べる』と、二項係数の等式が得られる。)
発展 — 一歩先へ。 この等式は、より一般の (ヴァンデルモンドの畳み込み)の一例だ。
の の係数を両辺で比べれば、同じ係数比較の論法でそのまま示せる。、、 を自由に選べる分だけ、作れる恒等式の幅が広がる。
見方を変えると、多項式の積の係数は、 つの係数列を『ずらしながら掛けて足す』畳み込みになっている。数列を多項式の係数に載せる母関数の立場では、積がいつでも畳み込みに対応する。和の恒等式を量産する源が、この一点にある。
両辺とも
別解
別解 — 委員の選び方として数える(苦手な人向けの数え上げルート)。 式変形でなく、具体的な選び方で両辺を読む。
男子 人・女子 人の合わせて 人から 人の委員を選ぶ。総数は右辺の 通りだ。
同じ選び方を「男子を 人選ぶ」で場合分けする。男子 人の選び方は 、残る女子 人の選び方は 、掛けて 。 で足せば左辺になる。
同じ人数の選び方を 通りに数えたから左辺 右辺、値は 。本解と同じ答えだ。
ポイント
- 積の 係数は『次数を分け合う』組み合わせの和
- 同じ式を2通りに展開して係数を比較する
よくある間違い
- 左辺で と の次数の合計が になる対応を崩し、別の組を掛けてしまう。
- で が を超える項まで足そうとし、存在しない項を数える。
- の計算で分母 を忘れ、 でない値を出す。