数学II / 積分の考え
定積分の最小値
問題
定積分 を最小にする定数 の値と、そのときの最小値を求めよ。
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で積分している間、 はただの定数。積分し終わると、今度は の 次式が残る — 主役が交代する。あとは 次関数の最小値の問題。
解答・解説
方針
まず を定数とみて積分を実行すると、結果は の 次式になる。その 次式を平方完成して、最小にする を求める。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 見た目は積分の問題だが、 は積分の中ではただの定数。まず積分を実行してしまえば、 は消えて だけの式が残る。
つまりこれは「 の 次関数の最小値」という、よく知っている問題への変装だ。
平方完成すれば頂点が読める。「積分を実行して、変数を つに減らす」— 積分と最大最小の融合問題の定跡である。
① を定数とみて積分する。 。
② の 次式を平方完成する。
③ 最小を読む。 のとき最小、最小値は 。
まとめ:積分の中に文字 があっても、 を定数とみて積分すればよい。結果は の 次関数になるので、あとは平方完成で最小を求めるいつもの流れだ。
発展 — 一歩先へ。 「距離 の合計を最小にする点を探す」考え方は最小二乗法と呼ばれ、データに直線を当てはめる回帰分析・測定誤差の処理・機械学習の学習則まで、現代の応用数学の背骨になっている。今回の 変数版はその最小単位だ。
乗でなく絶対値 を最小にすると、答えはやはり だが、こちらは「中央値」の連続版。 乗は平均、絶対値は中央値 — ペナルティの測り方が、最適な代表点の意味を決める。
のとき最小値
別解
答え が「区間 のまん中」なのは偶然ではない。
は「点 と点 の距離の 乗」。積分は区間全体でその距離 をかき集めたものだから、この問題は
「区間 のすべての点から、 乗の意味でいちばん近い場所 はどこか」
と読める。答えは区間の重心(平均) — 端に寄れば反対側の端との距離 が大きく膨らむから、まん中で釣り合う。
これはデータの分析で学ぶ「偏差の 乗和は平均のところで最小」とまったく同じ構造だ。あちらはとびとびのデータ、こちらは連続な区間という違いだけで、 乗のペナルティは平均が最小にする、という法則は共通している。
最小値 にも名前がある。区間 上の一様な分布の分散が — 統計の教科書に出てくる定数と、いま平方完成で出した値は同じものだ。
ポイント
- を定数として積分 → の 次関数。
- 平方完成で最小の と最小値を出す。
よくある間違い
- を の 次式として平方完成してしまう(最小化の変数は積分後の )
- 展開後の の積分を でなく とする( の積分が )
- 最小にする だけ答えて最小値 を書き忘れる(またはその逆)