数学II / 積分の考え

x 軸の下にある部分の面積

★ 基礎面積

問題

曲線 軸で囲まれた部分の面積を求めよ。

ヒントを見る

まず交点を求めて図をかく。曲線が 軸の下にある区間の面積は符号をどう扱うのだったか — 『上 − 下』の原則で考えれば迷わない。

解答・解説

方針

囲まれた区間では曲線が 軸より下()。面積は「 軸 − 曲線」つまり で計算する。まず 軸との交点で区間を決める。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 まずグラフを描く。 これを飛ばしてはいけない。

軸との交点は

そして、 の範囲では、グラフは 軸の下にある( 切片が だ)。

ここが急所だ。

素直に積分すると、負の値が出る。

負! 面積が負になるはずがない。

面積を求めるには、「上 下」の順で引く。

( が"上"、曲線が"下"。)

グラフを描かずに積分すると、符号を間違える。

重要区間で (曲線が 軸より下)なら、面積

① 交点で区間を決める。 より 。区間は

② 上下を確かめる。 この区間で (曲線は 軸の下)。面積は「上( 軸)− 下(曲線)」。

③ 偶関数なので 倍で計算する。

xyO-22
y=x^2-4 と x軸で囲む面積(x軸より下、面積=32/3)

まとめ:曲線が 軸の下にあるときは、そのまま積分すると負の値になる。面積は正なので「 を積分」または「定積分」で正にする。上下の確認が命だ。

発展 — 一歩先へ。 軸の上と下がある場合」の面積計算は、さらに注意が必要だ。

例: 軸で囲まれた面積は?

グラフを描くと

  • 区間 では で、 軸の
  • 区間 では で、 軸の

上と下が、両方ある!

素直に で積分すると

になってしまう。 上の面積と下の面積が、打ち消し合ったのだ。

しかし、面積は ではない。

正しくは、区間を分けて、それぞれ絶対値をとる。

計算すると

面積は

軸と交わるたびに、区間を分ける — これが鉄則だ。

手順をまとめよう。

  1. グラフを描く(または、 軸との交点を全部求める)
  2. 交点で区間を分ける
  3. 各区間で、 軸の上か下かを判定する
  4. 上なら 、下なら
  5. すべて足す

この 段階を踏めば、どんな面積問題も解ける。

そして、絶対値を使って 行で書くこともできる。

絶対値がついた積分 — これが「面積」の正確な表現だ。

しかし、絶対値のままでは計算できない。 結局、符号で場合分けして、区間を分ける必要がある。

「絶対値を外す 場合分けする」 — 数Iで学んだこの原則が、積分でも生きている。

面積の問題で、いきなり積分に飛びつかないこと。 グラフを描き、交点を求め、上下を確認する — この 手順が、正解への唯一の道である。

別解

この面積は、 通りの方法で求められる。 どれも同じ になることを確かめ、最速の道を見つけよう。

方法1: 偶関数の対称性を使う。

半分を計算して、 倍する。

負の数の代入が消えるので、符号ミスが起きない。

方法2: 公式を使う(最速!)

曲線 軸()で囲まれた面積。

差の関数は

次の係数 、交点

積分せずに、 秒で答えが出た!

方法3: 素直に積分して、符号を反転する。

つとも同じ答え理論に矛盾はない。

速さを比べる。

方法 手間 ミスのリスク
公式 交点さえ正しければ安全
偶関数の対称性 低い(負の代入なし)
素直に積分 高い(符号ミス多発)

公式が圧倒的に速い。 使える場面では、必ず使いたい。

しかし、公式の適用条件を確認すること。

  • 次関数と直線( 軸も直線!)で囲まれている ✓
  • 交点のあいだの面積 ✓

この条件が揃っているので、使える。

さて、"面積"と"定積分"の違いを、最後にもう 度確認しよう。

符号が違う。

問題文が「面積を求めよ」なら、答えは正の

問題文が「定積分の値を求めよ」なら、答えは負の

「何を聞かれているか」を、必ず読み取る。

この区別を曖昧にすると、正しく計算しても不正解になる。 数学の答案では、問いに正確に答えることが、計算力と同じくらい大切なのである。

ポイント

  • 曲線が 軸より下なら 面積
  • そのまま積分した負の値の絶対値でもよい。

よくある間違い

  • 軸の下にあることを見落とし、負の値をそのまま面積として答える
  • 「上 下」の順序を間違える( が上、曲線が下)
  • 交点 を求めずに、積分区間を決めてしまう