数学II / 積分の考え
曲線と x 軸で囲む面積
問題
曲線 と 軸、および 直線 、 で囲まれた部分の面積を求めよ。
ヒントを見る
まず図をかいて、区間内で曲線が 軸の上下どちらにあるかを確認する。上にあるなら、面積はそのまま定積分で出せる。
解答・解説
方針
区間 で (曲線が 軸より上)なので、面積はそのまま定積分 に等しい。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「曲線と 軸で囲まれた面積」— 定積分そのものである。
ただし、 つ確認すること。
区間 で、( 軸の上にある)。
上にあるなら、定積分がそのまま面積になる。
面積は 。
もし曲線が 軸の下にあれば、定積分は負になり、面積とは符号が違ってしまう — だから、上にあるか下にあるかを必ず確認する。
面積の問題は、 段階。 ①グラフを描く → ②上下を確認する → ③積分する。グラフを描かずに積分すると、必ず事故る。
① 位置関係を確かめる。 で 。曲線は 軸の上にある。
② 面積を定積分で計算する。
まとめ:面積を積分で出すときは、まず「曲線が 軸の上か下か」を確認する。上にあるなら面積 = 定積分そのもの。下にある場合は 番以降で扱う。
発展 — 一歩先へ。 アルキメデスが「取り尽くし法」で放物線の面積を求めたのは、紀元前 世紀。微積分の発明( 世紀)の、 年前である。
彼の方法は、どんなものだったか。
放物線と弦で囲まれた図形に、三角形を敷き詰めていく。
- まず、大きな三角形を つ入れる(面積 とする)
- 残った隙間に、小さな三角形を つ入れる(合計 )
- さらに残った隙間に、 つ入れる(合計 )
- これを無限に繰り返す
面積の合計は
無限等比級数!
アルキメデスは、無限級数の和を(極限の概念なしに)厳密に扱い、正しい答えを得た。
彼の議論は、現代の目から見ても完璧である。 ただし、彼は「無限」という言葉を注意深く避け、「どんなに小さな差も、有限回の操作で下回れる」という形で論じた(取り尽くし法)。
なぜ、そこまで慎重だったのか。 当時のギリシャ数学は、「無限」を扱う論理を持っていなかったからだ。ゼノンのパラドックス(アキレスと亀)が、無限の危険性を突きつけていた。
アルキメデスは、あと一歩で微積分に到達していた。
しかし、彼には「一般的な手続き」がなかった。 放物線の面積は求められたが、それは放物線専用の職人芸だった。別の曲線には、別の工夫が必要だった。
ニュートンとライプニッツが与えたのは、「どんな曲線にも通用する、機械的な手続き」である。
アルキメデスが何ページも費やした計算が、 行になった。
天才の職人芸を、誰でも使える道具に変える — それが数学の進歩の形なのだ。
そしてアルキメデスは、自分の墓碑に「球と円柱」の図を刻むよう遺言した。 球の体積が、外接する円柱の であることを発見した誇りである。
の法則も、 の法則も、彼の遺産だ。 そして今、あなたはそれを 行で計算している。
別解
この面積 には、美しい意味がある。 年前、アルキメデスが発見した「 の法則」だ。
囲む長方形と比べる。
区間 で、 の下の面積を求めた。 この放物線を、長方形で囲んでみよう。
- 横: ( から まで)
- 縦: ( での高さ )
長方形の面積は 。
放物線の下の面積は 。
驚くほどきれいだ。
これは偶然ではない。一般に
放物線の下は、必ず長方形の 。
アルキメデスは、この事実を微積分なしで証明した(取り尽くし法という、極限の先駆的な方法で)。紀元前 世紀のことである。
さらに一般化すると
| 曲線 | 長方形に対する割合 |
|---|---|
| (直線) | (三角形!) |
| (放物線) | |
が大きいほど、曲線は"床に張りついて"から急上昇するので、下の面積は小さくなる — 表と一致する。
で になるのは、三角形の面積公式そのもの ✓ — 小学校の知識と、積分がつながった。
この「 の法則」を知っていると、検算が一瞬でできる。
長方形()の は ✓ 合っている。
逆に、答えが や になったら、明らかにおかしい — 図形的な感覚が、計算ミスを検出する。
「答えの大きさが、図と合っているか」 — 積分の計算では、この確認が命綱になる。
放物線の下は、長方形の 。 この事実を体に染み込ませておけば、面積の問題で大きく外すことはない。
ポイント
- 曲線が 軸より上なら 面積 = 定積分。
- 面積を出す前に上下(符号)を確認する。
よくある間違い
- グラフを描かずに積分し、曲線が 軸の上にあるか確認しない
- の分母 を忘れる
- 上端の を代入したあと、下端 の代入を省略する(0でも手順は踏む)