数学II / 三角関数
正弦と余弦の対称な連立方程式
問題
のとき、連立方程式
を解け。
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対称な2本の式 — 足す・引く・掛けるの前に、それぞれを2乗して足してみると、消えるものと残るものは何か。2乗した以上、最後に確かめが要ることも忘れずに。
解答・解説
方針
2本を別々に触ってもほどけない。両辺を2乗して足すと sin²+cos²=1 が2回使え、残るのは差の角の余弦だけ: cos(x−y)=1。範囲から x=y が確定し、1変数の基本の方程式に落ちる。最後に元の2式を満たすことを確かめる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 の式と の式が対で与えられたら、2乗して足すのが第一手だ。 が でも でも使えて未知数が大幅に消える。
生き残るのは加法定理でまとまる交差項、すなわち差の角 の情報だけ。差が決まれば実質1変数だ。
ただし2乗は同値変形ではない。最後に元の式で確かめる作法までがワンセットになる。
① 2乗して足す。
左辺は だから
② 差を確定する。 より 。この範囲で となるのは 、すなわち だけ。
③ 1変数にして解く。 を元の式に入れると
かつ を同時に満たすのは のみ( だけなら もあるが、 の符号が弾く)。よって
これは元の2式をともに満たす(確かめ: ✓、 ✓)。
まとめ: 対称な連立は「2乗和で差の角を取り出す」— 消える量( 個別の情報)と残る量()を見抜くのが急所。2乗した後の逆の確認、 と の両方で角を確定する詰め、の2つの作法で完答になる。
別解
和積で中点の角を取り出す(分解ルート)。 2乗する代わりに、両式をそれぞれ和積で分解してもよい。
共通因子 は0でない(0なら両式とも左辺0になり矛盾)。辺々割って
中点の角がまず決まる。 の場合、第2式から 、つまり で 。よって ( の場合は で第2式の符号に合わず不適)。
2乗和(本解)は差の角を、和積の比は中点の角を先に取り出す。どちらも「対称な2式を、和の角と差の角の言葉に翻訳する」同じ思想だ。
なお、いちばん鮮やかな見方も添えておく。左辺は単位ベクトル と の和で、右辺の長さは — 単位ベクトル2本の和の長さの最大値そのもの。最大になるのは2本が同じ向きのときだけだから、その場で が出る。
ポイント
- 2乗和 = → 。
- 範囲から 。
- かつ → のみ。
よくある間違い
- 2乗して足した後、逆の確認(元の2式を満たすか)を省く。2乗は同値変形ではない。
- から の両方を答える。(正)が を弾く。
- の解を範囲()で確認せず、 の可能性を放置する(範囲の端は開区間で除外される)。