数学II / 三角関数
特殊角の三角関数の値
問題
次の値を求めよ。
(1)
(2)
ヒントを見る
ラジアンを度に直して、どの象限のどの角かをはっきりさせる。・・ の値に、象限に応じた符号をつければよい。
解答・解説
方針
それぞれの角を度に直すか単位円で位置を確認し、特殊角の値を当てはめる。象限で符号を決める。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 特殊角の値は、単位円に点を打って読む。
(1) ()
第 象限。 なので、 の点を 軸で折り返した点だ。
()は、前に求めた通り 。
(2) ()
第 象限で、点は 。
は「傾き」 — の方向へ引いた直線の傾きは ✓ 図と一致する。
(1) は第2象限。基準角 で は正。 も第2象限、基準角 で は負。
たして
(2) は第2象限、基準角 。 は第2象限で負なので
発展 — 一歩先へ。 特殊角(、、)の三角比が「きれいな値」になるのは、なぜだろうか。
理由は、対応する図形が"作図できる"からである。
- : 正方形の対角線から()
- 、: 正三角形を半分に切って()
定規とコンパスで作れる図形の角度だけが、根号で書ける値を持つ。
では、 は?
根号では書けない。 は「角の 等分」()に対応し、これは定規とコンパスでは作図不可能であることが証明されている( 年、ヴァンツェル)。
古代ギリシャの三大作図問題の つ、「角の三等分問題」 — 年間、誰も解けなかったこの問題は、「解けない」ことが証明されて決着した。
その証明の鍵が、 が満たす 次方程式である。
倍角の公式 に を入れると
この 次方程式は、有理数解を持たない(有理根定理で確かめられる)。そして「定規とコンパスで作図できる長さは、 次方程式を繰り返し解いて得られる数に限る」という定理から、 は作図できない — したがって の角も作図できない。
「作図できるか」という幾何の問題が、「方程式が解けるか」という代数の問題に翻訳され、決着した。
がきれいな値であること。 その裏には、 年の数学史が横たわっている。
(1) (2)
別解
特殊角の値を「 秒で作る」方法を紹介する。表を丸暗記するより、はるかに確実だ。
特殊角の の値を、 で並べる。
| 値 |
分子の根号の中が、 と順に増えていく。 分母はすべて 。
これほど覚えやすい規則はない。
は、この表を逆から読むだけ。
| 値 |
根号の中が と減っていく。 と が鏡像になっている(当然だ — だから)。
この表さえあれば、あとは象限で符号をつけるだけ。
(1)を、この方法で解く。
: 。第 象限 → は正。 大きさは 。
: 。第 象限 → は負。 大きさは 。
足す。
(2) : 。第 象限 → は負。 大きさは 。
「大きさは基本の角、符号は象限」 — この 段構えが、特殊角の値を出す最短ルートだ。
検算のコツ。 答えが出たら、単位円の絵と照らし合わせる。
— の点は、少しだけ上にある(高さ )✓ 図と合う。
「値が正か負か」「大きいか小さいか」を、図で 度確かめる。 符号ミスの 割は、これで防げる。
ポイント
- 角を度に直すと象限と基準角が見やすい。
- 第2象限: 正、 負、 負。
よくある間違い
- 第2象限の符号を取り違える( は正、 と は負)
- を と分解できず、値が出せない
- と の ・ の値を取り違える