数学II / 三角関数

正接の加法定理の応用

★★★ 応用加法定理

問題

で、 がともに鋭角のとき、 の値を求めよ。

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そのものは直接求めにくいが、 なら加法定理で計算できる。値が出たら、 の動ける範囲を絞り込んで角を つに決める。

解答・解説

方針

を加法定理で計算する。値が になる。 が鋭角なので の範囲を考えて角を確定する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 そのものは直接には求めにくい。分かっているのは の値だけだ。

そこで でなく に注目する。これなら正接の加法定理で計算できる。

値が出たら、 が鋭角という条件で の範囲を絞り、角を つに確定する。 の値と角の範囲で角を特定する、という発想が核だ。

定理正接の加法定理

代入する。

はともに鋭角で、 が小さいので実際は小さい角。 となるのは

発展 — 一歩先へ。 は、より広い仲間の 例だ。 が成り立つ条件は、加法定理で の和を とおくと と整理できる。

正の整数では だけがこれを満たす。だからこの等式は、ほとんど唯一の「整数版」なのだ。

同じ発想で を足し引きして を作る式はたくさんある。マチンの公式 はその代表で、円周率 を高精度で計算する古典的な道具として使われてきた。

別解

別解 — 直角三角形から を読む(苦手な人向けの直感ルート)。 は「対辺 、隣辺 」の直角三角形。斜辺は三平方で 。ここから と読める。

同じく は「対辺 、隣辺 」の三角形。斜辺は で、

これらを ではなく の加法定理に入れると、和の角の が直接出る。

がともに鋭角だから、 の間にある。その範囲で から へ一方向に減るので、 をみたす角はただ つ。それは だ。

から範囲で角を絞る本解と同じ答え。 の値が正と分かった時点で鋭角と確定するので、角の絞り込みがより素直になる。

ポイント

  • の加法定理で角の和が求まる。
  • の値だけでなく、角の範囲で を確定する。

よくある間違い

  • 加法定理の分母 と符号を誤り、 を取り違える。
  • だけで満足し、角の範囲を絞らずに など別の角まで答えに残す。
  • が鋭角という条件から を導けず、 に一意化する根拠を書けない。