数学II / 軌跡と領域

線分を45°で見込む点の軌跡

最難関編軌跡なす角

問題

2点 に対し、 を満たす点 の軌跡を求めよ。

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「角度が一定」は正接のなす角の公式で式にできる。出てきた円をそのまま答えにしてよいか — 同じ円周上でも、弦のこちら側とあちら側で見込む角はどう違ったか。

解答・解説

方針

P(x,y) から見た PA, PB の傾きで、2直線のなす角の公式 tan45°=|(m₁−m₂)/(1+m₁m₂)|=1 を立てると、絶対値の±に応じて2つの円の方程式が出る。ただし同じ円でも弧によって見込む角が違う(45°と135°)ので、どの弧が45°側かの吟味が必須。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「見込む角が一定」の軌跡は円弧(円周角の定理の逆)。これが正体の当たりだ。

式で追うには、 から への2直線の傾きを書き、なす角の公式に を入れる。絶対値を外すときの が「上の円・下の円」に対応する。

最後の関門は吟味だ。同じ円でも、弦 の長い弧の上では 、短い弧の上では 。方程式だけ見て円全体を答えると、軌跡が2倍に膨らんでしまう。

公式2直線のなす角: 。円周角: 同じ弧の上の円周角は一定(中心角の半分)

① 式を立てる。 ()から

より

② 円の正体を確かめる。 上の円は中心 、半径 で、 を通る。中心から へのベクトル は直交するので、弦 の中心角は 。よって長い弧( 側)の円周角はその半分の 、短い弧( 側)では 。下の円は上下対称に同じことが起きる。

③ 軌跡を確定する。 になるのは

(いずれも端の は角が定義できないので除く。)

xyOABP
軌跡(太い実線の2つの弧)。上の弧は円 x²+(y−1)²=2 の y>0 部分。P から A, B を見込む角がどこでも45°になる(A, B の間の細い弧は135°になる側で、軌跡に含まれない)

まとめ: 計算はなす角の公式、正体は円周角の逆。「方程式が出た円の、どの弧か」の吟味 — 中心角を測って円周角に半分を割り当てる確認 — が、この型の答案の生命線だ。

発展 — 一歩先へ。 を一般の に変えても、軌跡はつねに「2つの合同な円弧」になる。 に近づけると2つの弧は1つの円(タレスの円)に合流し、 を超えると今度は短い弧の側が軌跡になる。角度のダイヤルを回すと、弧の家族が連続的に姿を変えていく。

の部分と、円 の部分

別解

円周角の逆から作図で構成する(幾何が先のルート)。 式を立てる前に、軌跡の円そのものを幾何で作ってしまう。

円周角が なら、中心角はその2倍の 。つまり求める円は、「中心 から を見込む角が 」となる円だ。

中心は弦 の垂直二等分線( 軸)上にある。 とおくと、 の直交から

半径は 。円 が、計算の前に姿を現した。

あとは円周角の定理(の逆)で、長い弧の上の点がちょうど を見込むことを述べ、短い弧は 側として除けばよい。式のルート(本解)は検算になる。幾何で骨格、式で肉付け — 軌跡の問題の理想的な分業だ。

ポイント

  • なす角の公式から
  • 中心角90°の弦 → 長い弧で45°、短い弧で135°。
  • 軌跡は上の円の 部分と下の円の 部分(A, B 除く)。

よくある間違い

  • 円全体を軌跡と答える。同じ円でも短い弧では 。この吟味の欠落が本問最大の失点源。
  • 自身を軌跡に含める。端点では角 が定義できない。
  • なす角の公式の分母 (垂直、 上)の場合の扱いに触れない。本問では なので除外されるが、一言の言及が丁寧。