数学II / 軌跡と領域

和と積の描く軌跡

最難関編軌跡存在条件

問題

実数 を満たしながら動くとき、点 が描く図形を求め、図示せよ。

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和と積が主役なら、対称式の恒等式で条件式を書き替えるのが最短。ただし「出てきた曲線の全部」が軌跡とは限らない — その (X, Y) を和と積にもつ実数 x, y は本当に存在するか。

解答・解説

方針

恒等式 x²+y²=(x+y)²−2xy から X²−2Y=1 — 軌跡の乗る曲線は一瞬で出る。落とし穴は範囲: (X, Y) が実数 x, y の和と積であるためには t²−Xt+Y=0 が実数解をもつ(X²≥4Y)ことが必要で、この存在条件が X の範囲を切り出す。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 という基本対称式が主役だ。条件式を対称式で書き替える。。これで乗るべき曲線 は一瞬で出る。

だが軌跡の問題はここで終わらない。逆に、曲線上の点 を与えたとき、それを和と積にもつ実数 が存在するか。 の2解だから、実数条件は判別式 。この存在条件が軌跡の「端」を決める。

重要 の軌跡は「方程式(必要)」+「存在条件 (十分)」の両輪で確定する

① 乗る曲線を求める。

② 存在条件で範囲を切る。 の2次方程式 の2つの実数解(重解も可)だから

すなわち

③ 端の確認。 のとき で判別式0。(円上の点)で実現する。 も同様。よって軌跡は

XYO(√2, 1/2)(−√2, 1/2)
軌跡は放物線 Y=(X²−1)/2 のうち −√2 ≤ X ≤ √2 の弧(実線)。破線部分は x, y が実数にならず実現しない

まとめ: 対称式の平面へうつす軌跡は、「恒等式で方程式」+「判別式で範囲」の2段が型だ。範囲を落とすと放物線全体と答えてしまう。存在条件こそが、軌跡の輪郭を切り出す刃である。

発展 — 一歩先へ。 この写像は2対1になっている。 は同じ にうつるからだ(和と積は順序を忘れる)。円周を1周すると、放物線の弧を「行って帰って」2回なぞる。軌跡の形だけでなく、なぞられ方まで見えると理解が深まる。

放物線 の部分(両端を含む)

別解

円のパラメータで順手に(合成で範囲が出るルート)。 円上の点を と書いて、 を直接計算してもよい。

合成の形から、 の動く範囲は即座に (すべて実現)。また

で、つねに放物線の上に乗っている。

存在条件(判別式)を考える必要がない代わりに、三角関数の合成が範囲を教えてくれる。逆手(本解)と順手(本ルート)のどちらでも同じ弧に着地する — 軌跡の2大アプローチの練習台として、この問題は格好の素材だ。

ポイント

  • (対称式の恒等式)。
  • 存在条件
  • で実現。

よくある間違い

  • 放物線全体を答えてしまう。存在条件()を課さないと、実現しない部分まで含めた「大きすぎる答え」になる。
  • 存在条件を と書き違える。 を解にもつ2次方程式は で、判別式は
  • 端点 が実現するか(重解 の点が円上にあるか)の確認を省く。