数学II / 軌跡と領域
線分の族の通過領域
問題
が の範囲を動くとき、直線 が通る点全体のつくる領域を とする。
(1) 点 が に属するための条件を求め、 を図示せよ。
(2) と直線 の共通部分を求めよ。
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t の式と見て「(x, y) を固定したとき、条件を満たす t が存在するか」と裏返すのが第一歩。ただし今回は t に範囲がある — 2次方程式が「区間に」解をもつ条件は、判別式のほかに何で判定したか。
解答・解説
方針
「点 (x,y) を直線が通る」を「t の2次方程式 t²−2xt+y=0 が 0≤t≤1 に解をもつ」と読み替える(逆手流)。t に範囲があるので判別式だけでは足りず、端点の値 g(0), g(1) の符号・軸・判別式による区間解の存在条件で場合分けする。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 通過領域の定石は逆手流だ。点 を固定し、「この点を通る が存在するか」を の方程式
の解の存在に翻訳する。
が全実数なら判別式だけで済む。だが本問は 。区間に解をもつ条件が要る。区間解の存在は「端点で符号が変わる(またぎ型)」か「区間内に軸と頂点があり両端が0以上(内部型)」の2パターンで尽くせる。
① 条件を書き下ろす((1))。 、、判別式 、軸は 。よって ⟺
- またぎ型: 、または
- 内部型: かつ かつ かつ
② 領域の形を読む。 境界は (直線 の像)、( の像)、(判別式 、すなわち族の包絡線)。とくに は に点 で接する()。あわせると、 は下の縁が 、上の縁が「 では / では / では 」の帯状の領域になる。
③ での切り口((2))。 を条件に入れる。内部型は を満たさず空。またぎ型は ⟺ 。よって共通部分は
(端 は 、 は の直線が通る点。)
まとめ: 直線の族(全実数 )なら判別式1本で済む通過領域が、線分の族( に範囲)になると区間の解の配置に格上げされる。境界3本( の像・ の像・包絡線 )の役割と接点 まで読めれば、図は一気に描ける。
発展 — 一歩先へ。 実は は、放物線 の点 における接線そのものだ()。この問題の族は「接点が の接線たち」で、上の縁に が現れたのは、接線の族が自分の放物線を縁取る(包絡線)からである。
(1) または「 かつ かつ かつ 」の表す領域 (2) 線分
別解
を固定して の値域を測る(順手ルート)。 逆手(解の存在)の代わりに、正面から「掃く範囲」を測ることもできる。
を1つ固定する。 が を動くとき、 の動く範囲は1変数関数
の値域そのものだ。これは上に凸な放物線(頂点 )の、区間 での最大・最小の問題にすぎない。
- 最大: 頂点が区間内()なら 。外なら近い端点で、 なら 、 なら
- 最小: 上に凸だから遠い方の端点で、
つまり各 での切り口は区間 。これを 方向に並べたものが領域 で、本解①②とぴったり一致する( なら — (2)も即答)。
逆手は「存在条件」、順手は「値域」。同じ領域の2つの測り方で、2次関数の区間最大最小がそのまま領域の縁になるのが順手の景色だ。
ポイント
- 逆手流: が に解をもつ条件。
- またぎ型 + 内部型( ほか)。
- では (長さ3の線分)。
よくある間違い
- 判別式 だけで答える。 に範囲があるので、全実数の場合の通過領域(放物線の下側全体)とは別物。
- またぎ型と内部型を「かつ」で結ぶ。解の存在は2パターンの「または」。
- (2)で内部型に を入れて計算を続ける。内部型には が入っており、 では空になる。