数学II / 軌跡と領域
共有点をもつ条件
問題
定点 を通る直線 が円 と共有点をもつような、定数 の値の範囲を求めよ。
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『共有点をもつ』を、中心と直線の距離の条件に言い換える。接する場合がちょうど境目になるので、等号を含むかどうかも慎重に。
解答・解説
方針
直線と円が共有点をもつのは、中心から直線までの距離が半径以下のとき。この不等式を について解く。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 直線は定点 を軸に、 とともに回転する。円と共有点を持つ範囲を問われている。
共有点の条件は「中心から直線までの距離 半径」。
直線を の形に直し、原点からの距離を で表して不等式を解く。2乗して整理すれば の1次不等式に落ちる。
① なぜ「距離 ≤ 半径」で交わるのかを絵で考える。 円の中心 から直線へ下ろした垂線の長さが、直線と中心が最も近づく距離。この最短距離が半径 以下なら、直線は円の内側まで届いて交わる。逆に半径より大きいと直線は円の外を素通りする。だから「中心と直線の距離 半径」が共有点をもつ条件。
② 中心と直線の距離を式にする。 直線を とみて、点と直線の距離公式で中心 からの距離を書くと 。これが半径 以下。
③ 解く。 分母は正なので、両辺を2乗して整理する。
まとめ:直線と円の共有点の有無は「中心から直線への垂線の長さ(=最短距離)と半径の大小」で決まる。距離が半径以下なら直線が円に食い込む、という絵をつかめば、あとは距離公式に当てはめて解くだけだ。
発展 — 一歩先へ。 「傾き の式は垂直な直線を表せない」という今日の注意は、傾きで直線族を扱うすべての問題に付いて回る。取りこぼしを避けたいときは の形(全方向を表せる)に乗り換える手もある。
回転する直線と円の共有点の個数( 個)を の範囲で完全に分類する問題や、共有点を持つ の範囲から弦の長さの最大を続けて問う問題へ、この設定は自然に発展していく。
別解
連立して判別式で攻めるルートも、きれいに落ちる。
直線 を円 に代入すると、 とおいて
共有点を持つ条件は、この2次方程式が実数解を持つこと。判別式を計算すると、うまく約分が起きて
から 。距離ルートと同じ答えだ。
図の状況も添えておく。定点 は円の外にあるから、そこから引ける接線が2本…と思いきや、答えの範囲は片側だけ。もう1本の接線は「 の形で書けない垂直な直線 」で、 の世界の外にいる。式の形が扱える直線の範囲を狭めていた、という気づきまで拾えると完璧である。
ポイント
- 共有点あり=中心と直線の距離 ≤ 半径。
- 距離の不等式は2乗して の不等式に直す。
よくある間違い
- 共有点の条件を距離 半径と、等号なしにしてしまう(接する場合も共有点1個)
- 距離の不等式を2乗するとき、両辺が正であることの確認を飛ばす
- が垂直な直線 を表せないことに気づかず、図の接線2本と答えの片側範囲のずれに混乱する