数学II / 軌跡と領域

領域の面積

★★ 標準領域面積

問題

連立不等式 の表す領域の面積を求めよ。

ヒントを見る

領域をかくと、直線で切った三角形から円の一部をくり抜いた形になる。『全体から引く』の引き算で面積を組み立てよう。

解答・解説

方針

三角形()から、円 の内側(第1象限の四分円)をくり抜いた形。三角形の面積から四分円の面積を引く。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 まず領域の姿を確定する。3つの1次不等式は、原点・ の直角三角形を作る。

は円の「外側」。つまり三角形から、円の内側(第1象限ぶんの四分円)をくり抜いた形だ。

面積は引き算で、。図形を「基本図形の足し引き」に分解するのが領域の面積の定石である。

公式複雑な領域の面積は、単純な図形の足し引きに分ける

は、頂点 の直角三角形。面積は

は半径 の円の外側。だから円の内側(第1象限にある四分円)を三角形から取り除く。四分円の面積は

求める面積は

xyO
三角形から四分円をくり抜いた領域

発展 — 一歩先へ。 もし円の半径が を超えると、円が斜辺を横切り、くり抜きの形が「弓形の調整」を要する一段難しい計算になる。今日の検分1は、その分岐点を見張っていたのだ。

曲線で囲まれた一般の面積は、数学IIの後半で学ぶ積分の主戦場になる。「基本図形の足し引き」で済む形と、積分が要る形の境目を知っておくと、道具選びが速くなる。

別解

引き算が正しく成立するかの「検分」まで含めて、初めて完答になる。2つの確認を紹介する。

確認1: くり抜く円が、本当に三角形の中に収まっているか。もし円が斜辺 を突き抜けていたら、単純な引き算は過剰に引くことになる。原点から斜辺までの距離は 。半径 より大きいから、円は斜辺に届かない。安全だ。

確認2: どちら側をくり抜くか。テスト点として原点を に入れると で不成立。つまり原点側(円の内側)が除外される側で、確かに「くり抜き」だ。

この2つの検分は、図を雑に描いたときの事故(円がはみ出す配置を見落とす、内外を逆に塗る)を確実に防ぐ。面積の計算自体より、この検分こそが領域問題の実力である。

ポイント

  • 複雑な領域は、三角形 − 扇形 のように分解する。
  • は円の外側 → 四分円をくり抜く。

よくある間違い

  • くり抜く四分円の半径を とする( の半径は )
  • 円と斜辺が交わらないことの検分を飛ばし、はみ出す配置でも同じ引き算をしてしまう
  • 四分円の面積を のまま( を掛けずに)引く