数学II / 軌跡と領域

線形計画法の文章題

★★ 標準領域線形計画法

問題

ある工場で製品 P、Q を作る。P を1個作るのに材料 kg・作業 時間、Q を1個作るのに材料 kg・作業 時間かかる。材料は kg、作業時間は 時間まで使える。P 1個で 万円、Q 1個で 万円の利益があるとき、利益を最大にするには P、Q を何個ずつ作ればよいか。

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まず文字をおいて、材料と時間の制約を不等式に翻訳する(個数だから 以上も忘れずに)。利益を式にしたら、領域の頂点で値を比べる — どの頂点が勝つか。

解答・解説

方針

P を 個、Q を 個として、制約を不等式に、利益を1次式にする。制約の表す領域の頂点で利益を計算し、最大を選ぶ。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 文章を数式に翻訳する。P を 個、Q を 個として、資源の制約を不等式に、利益を1次式にする。

材料: 。時間: 。個数: 。利益: (万円)。

これで前問と同じ線形計画法の舞台が整った。制約の領域(四角形)の頂点で利益を比べれば、最大が決まる。

重要線形計画法:制約を不等式にし、目的の1次式を領域の頂点で最大化する

① 変数を決め、制約を不等式にする。 個、 個とする。作れる個数は 以上で、材料と時間の上限から

② 最大にしたい量(目的)を1次式にする。 利益は (万円)。これを、上の不等式が表す領域の中で最大にしたい。

③ 領域の頂点で目的を計算する。 1次式の最大は頂点でとる。境界 の交点は連立して 。頂点は

各頂点で利益 を計算する。

最大は での 。よって 個、 個作ると、利益が最大の 万円。

xyO(3,2)
制約の領域。頂点(3,2)で利益最大

まとめ:文章題は「変数を決める → 制約を不等式に → 目的を1次式に → 領域の頂点で最大化」。境界どうしの交点(頂点)を必ず調べる。

発展 — 一歩先へ。 製品や資源の種類が増えると、領域は高次元の多面体になり、手描きの図では追えなくなる。それでも「最適解は頂点にある」原理は生きていて、頂点を賢く渡り歩くシンプレックス法というアルゴリズムが実務の最適化を支えている。

「資源を使い切る制約(効いている制約)」の考え方は、経済学では影の価格という概念につながる。1kg 材料が増えたら利益がいくら増えるか、まで線形計画法は答えてくれる。

P を 個、Q を 個作るとき、利益は最大 万円

別解

答えの点 を、資源の言葉で読み直すと、線形計画法の「意味」が見える。

での資源の使用量を検分する。

  • 材料: kg。上限ちょうど。
  • 時間: 時間。上限ちょうど。

最適な生産計画は、2つの資源をどちらも使い切っていた。余らせている資源があれば、その分をもう一方の製品に回して利益を増やせるからだ(利益の係数が正である限り)。

だから最適点は、2つの制約の直線の交点 — 「材料の限界」と「時間の限界」が同時に効く点 — に来る。頂点で最大になるという幾何の定理が、「資源を使い切る」という経済の直感と同じことを言っている。

ただし、どの2本の交点が最適かは利益の係数(傾き)次第で変わる。だから頂点の比較(または傾きの挟み撃ち)は省略できない。意味の読みは、検算と理解のための道具である。

ポイント

  • 文章題→変数を決め、制約を不等式、目的を1次式にする。
  • 最大は領域の頂点。境界の交点を必ず調べる。

よくある間違い

  • 制約の不等式で係数の対応(材料の行・時間の行)を混同する
  • 個数の条件 を書き忘れて領域が閉じない
  • 頂点が整数でない問題のときに、個数の整数条件を忘れてそのまま答える(今回は頂点が整数)