数学II / 軌跡と領域

円の領域と1次式の最大

★★ 標準領域最大最小

問題

が円 の表す領域を動くとき、 の最大値と最小値を求めよ。

ヒントを見る

の値が同じ点の集まりは直線。この直線を動かすイメージで、値が端をとるのは直線が円とどんな関係になる瞬間かを考え、その条件を式にする。

解答・解説

方針

は傾き一定の直線。 を動かすと直線が平行に動き、円に接するとき が最大・最小。接する条件(中心と直線の距離=半径)で を出す。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 とおく。 を動かすと、傾き の直線が平行に滑っていく。

円板と共有点を保てるぎりぎり、つまり円に接する瞬間の が最大・最小だ。

接する条件は「中心から直線までの距離=半径」。 から 。直線を滑らせる映像と、距離の等式。この2点セットが円の線形計画の型である。

公式 上での の最大は 、最小は

を動く直線とみる。 の値がこの直線の位置を表す。 を大きく・小さくすると直線が平行に動き、円からはみ出す直前で が端の値になる。

② 端は「直線が円に接するとき」。 接する条件は「中心と直線の距離 = 半径」。中心 から直線 までの距離が半径 に等しい。

③ 絶対値をはずす。 。よって最大値 、最小値

xyO
3x+4y=k が円に接するとき k=±25

まとめ: の最大最小は「その直線を平行移動して円に接するとき」。接する条件(中心と直線の距離 = 半径)で が決まる。

発展 — 一歩先へ。 数学Cのベクトルを学ぶと、 は「ベクトル との内積」で、最大になるのは2つのベクトルが同じ向きのとき、と1行で説明がつく。図形・不等式・内積の3つの言葉が、この1問に同居している。

目的の式が のような非1次式になると、直線の代わりに曲線を滑らせることになる。「 とおいて図形族を滑らせる」という発想自体は、そのまま生き続ける。

最大値 、最小値

別解

式と証明で学んだコーシー・シュワルツの不等式なら、図を描かずに一撃で挟める。

よって 、つまり

等号成立は と平行、かつ円周上のとき。 と合わせて で最大 で最小

不等式の威力は「上限と、それが達成される点」を同時にくれることだ。図形の接する条件と、代数の不等式の等号条件が、同じ点 を指す。2つの単元が1つの答えの前で握手する、気持ちのよい瞬間である。

ポイント

  • を平行移動 → 円に接するとき端の値。
  • 円上の の最大は

よくある間違い

  • 接する条件の距離の式で、分母 を忘れる
  • 最大 だけ答えて最小 を落とす
  • 半径を とする( なので )