数学II / 軌跡と領域

円族の通過領域(半平面)

実戦編軌跡と領域通過領域存在条件単元横断

問題

が正の実数全体を動くとき、円 が通過する点 全体の領域を求めよ。

ヒントを見る

を通る ある 。展開すると が消えて 次式。 の条件は?

解答・解説

方針

を代入し、 の方程式が正の解をもつ条件を求める。 について整理すると 次方程式になり、解の符号が の符号で決まる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 この円に を代入すると で常に成立する。つまりすべての円が原点を通り、中心 は正の 軸上。 が大きいほど円は右へ大きく広がる。

通過領域は「点 を通す が存在するか」で決まる。代入して整理すると が両辺で消え、 の1次方程式になるのが計算上の急所だ。

ただし、1次方程式を と解くには係数で割る必要がある。割れない例外(原点)は別枠で確かめる。

重要 が通過点 ある 、整理すると

① 通過条件。 を通る ある 。展開すると ② 場合分け。

  • : 式は で、どんな でも成立。原点はすべての円が通る(通過領域に入る)。
  • : 左辺 、右辺 で不成立。 軸上の原点以外の点は通らない。
  • : 。分子は正だから

③ 領域。 よって通過領域は

xyOO
円 (x−t)²+y²=t²(t>0)はすべて原点を通り、右へ広がる。通過領域は右半平面 x>0 と原点。

まとめ 代入して を消すと 。原点は で全円が通り、それ以外は 。「係数で割る前に、割れない点(原点)を検分する」— これが本問の落とし穴だった。

発展 — 一歩先へ。 この族は「原点で 軸に接する、右側の円」の全体である。 も許せば左側の円も加わり、通過領域は「 軸(原点を除く)以外の全平面」になる。さらに反転(この単元で扱う の変換)で見ると、原点を通るこの円族は縦線の族の像であり、円と直線が入れ替わる好例になっている。

を通る ある 。原点は全ての で成立(全円が原点を通る)。原点以外は 。通過領域は と原点。

別解

別解 — 「原点で 軸に接する円」を作図で見つける(図形で納得するルート)。 中心 ・半径 の円は、中心から 軸までの距離がちょうど半径 — つまり原点で 軸に接する円だ。

()を通るこの形の円を作図してみる。円は の両方を通るから、中心は線分 の垂直二等分線上。同時に中心は 軸上。この2直線の交点を計算すると 座標は で、本解の と一致する。 なら正、つまり作図が成功する。

では交点が 側に出て族に入らない。()では 軸上にあり、垂直二等分線が 軸と平行になって交点そのものがない。

式の場合分け(本解)と作図の成否が1対1に対応する。原点だけは作図不要 — 最初から全部の円が通っている。

ポイント

  • 代入すると が消え、 の1次方程式 になる。
  • 原点は で全ての円が通る — 係数で割る前に必ず検分する。
  • 原点以外は 。通過領域は と原点。

よくある間違い

  • で割る前に の点(とくに原点)を検分しない — 原点は全円が通るのに、答えから漏れる。
  • の符号条件を忘れて 側まで通過領域に含めてしまう。
  • 軸の扱いが曖昧になる( 軸上で通過されるのは原点だけ。 は境界を含まない開いた半平面)。