数学II / 軌跡と領域

円の領域上での1次式の最大(内積・合成)

実戦編軌跡と領域領域最大・最小コーシー・シュワルツ単元横断

問題

かつ を満たす領域において、 の最大値を求めよ。

ヒントを見る

円板上で の最大はコーシー・シュワルツ 。等号の点 を満たすか?

解答・解説

方針

は円の中心方向へ大きくなるので、最大は円周 上。コーシー・シュワルツで上界 を出し、等号の点が制約 を満たすか確認する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 領域は「円板」と「半平面」の共通部分。その上で1次式 の最大を探す。

1次式は一方向にまっすぐ増えるから、最大は領域の境界、それも円周側で起こるはずだ。まず制約を1本(円)に減らして最大を出す。

円板上の最大が で起きて、この点がもう1つの制約 を満たすなら、それがそのまま答えになる。「強い制約だけで解き、残りは検算」という段取りだ。

重要コーシー・シュワルツ (等号は )

① 上界。 円板 上で ② 等号点。 等号は かつ 、点は

③ 制約の確認。 を満たすので領域内。よって最大値は

xyO(1,2)
領域(円板 x²+y²≤5 と直線 x+y≥1 の上側)。x+2y の最大は円周上の点(1,2)で5。

まとめ コーシー・シュワルツで上界 、等号点 を満たすので最大値 。領域(制約)と最大最小(コーシー・シュワルツ)の融合。等号点の実行可能性を必ず確かめる。

発展 — 一歩先へ。 もう1つの制約が「効く」場合もある。たとえば制約を に変えると、最大点 は失格になり、最大は円と直線 の交点 に下がる。制約が遊んでいるか効いているかの見極めは、線形計画法の考え方そのものだ。

円板 上で の最大は、コーシー・シュワルツ(または境界の接線)より 、達成点は 。この点は を満たすので条件内。最大値

別解

別解 — 直線を平行移動して「接する瞬間」を見る(苦手な人向けの図形ルート)。 とおくと、 を増やすほど直線は右上へ平行移動する。

が実現する 直線が領域と共有点をもつ。いちばん大きい は、直線が円 にぎりぎり接する瞬間だ。

中心(原点)から直線 までの距離が半径と等しいとき: 、すなわち 。最大側は 、接点は中心から法線方向 に進んだ

この接点が第2の制約 を満たす()ことを確かめて、最大値 が確定する。コーシー・シュワルツ(本解)と、接する図(この解)は同じ現象の式と絵である。

ポイント

  • 円板上の の最大はコーシー・シュワルツで
  • 等号点は
  • を満たすので最大値

よくある間違い

  • 制約 を無視してよい理由(最大点 がそれを満たす)を確認せずに答える。
  • コーシー・シュワルツの等号条件()を書かず、最大値が実現することを示していない。
  • 「1次式の最大は領域の内部では起こらない(境界で起こる)」という前提を曖昧なまま円周だけ調べる。