数学II / 軌跡と領域
接線族の通過領域(単位円の外部)
問題
が実数全体を動くとき、直線 が通過する点 全体の領域を求めよ。
ヒントを見る
点 を通る ある で 。左辺を合成すると 。この値が になれる条件は?
解答・解説
方針
点 を通る の方程式 が解をもつ、と読みかえる。左辺を三角関数の合成で にし、 の値域から解の存在条件を出す。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「 を動かした直線の族が通る点の全体」。定石の転換をする。点 を固定して、「この点を通す が存在するか」と問い直すのだ。
条件は 。左辺は三角関数の合成で と1つの にまとまる。
の値域は 。だから「解 が存在する」条件は、振幅 が 以上であること。存在条件が振幅の不等式に化ける。
① 通過条件に翻訳。 点 を通る ある で 。
② 合成。 左辺 (適当な )。これが になる が存在する条件は、 の最大値が 以上、すなわち ③ 領域。 。よって通過領域は
まとめ 「点を通る の存在」を合成で調べると 。通過領域は単位円の外部(周を含む)。各直線が単位円の接線であることと符合する。通過領域(パラメータ)と三角関数(合成)の融合。
発展 — 一歩先へ。 境界の単位円は、この直線族のどの1本とも接している=族の包絡線である。「原点から距離1」を保ったまま直線を回すと、円の形が浮かび上がる。通過領域の境界に包絡線が現れる構図は、放物線の接線族(この単元の直交2接線の問題)でも同じだ。
点 がこの直線群の通過点 を満たす が存在 合成 が解をもつ 。よって通過領域は (単位円の周と外部)。
別解
別解 — 正体は「単位円の接線の族」(得意な人向けの高い視点)。 直線 と原点の距離を測ると
つまりこの族は、原点から距離 の直線=単位円の接線の全体だ(接点はちょうど 。代入すると成り立つ)。
すると答えは図形の常識になる。円の外(と円周上)の点からは接線が引けるから通過され、円の内側の点を通る接線は存在しない。よって通過領域は 。
合成(本解)の「振幅 」という式の条件が、「点が円の外にある」という図形の条件と同じものだったと分かる。
ポイント
- 通過領域は「その点を通す の存在条件」。
- 合成 が解をもつ 。
- 領域は (各直線は単位円の接線)。
よくある間違い
- 「ある で通る」(存在)と「すべての で成り立つ」(全称)を混同する — 答えがまるで変わる。
- 存在条件を と書くとき分数の向きを誤る(振幅 が正しい)。
- 境界の円周 を含め忘れる( でちょうど到達する)。