数学II / 軌跡と領域
直線の族の通過領域
問題
が実数全体を動くとき、直線 が通過する領域を求め、図示せよ。
ヒントを見る
点 が通過されるのは、その点を通る が存在するとき。 を の方程式とみて、実数解をもつ条件(判別式)を考える。
解答・解説
方針
点 が通過可能 ⟺ その に対して を満たす実数 が存在する。これを の方程式 とみて、実数解をもつ条件(判別式 )を求める。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「 を動かした直線が通る領域」。発想の転換をする。点 を固定して、「この点を通す が存在するか」と問い直す。
を について整理すると 。これは の次方程式だ。
点 が通過される この方程式が実数解 をもつ 判別式 。、すなわち 。放物線 とその下側。
① の方程式にする。 を について整理すると
② 実数解をもつ条件。 この の 次方程式が実数解をもつのは判別式 :
③ 結論。 通過する領域は 、すなわち放物線 とその下側。
まとめ:通過領域は「点を固定し、パラメータの方程式が実数解をもつ条件(判別式)」。 は放物線 の各点での接線の族で、その包絡線が 。境界の放物線を含む()ことに注意。
発展 — 一歩先へ。 境界 は、直線族のどの本とも接する曲線=包絡線。定規を少しずつずらして描く模様、ヘッドライトの光が壁に作る明るい縁など、直線の族が曲線を浮かび上がらせる現象は身近にもある。通過領域の境界に接線族の包絡線が現れるのは、この単元の「直交2接線→準線」とも通じる。
(放物線 とその下側)
別解
別解 — 放物線 の接線族として正体を見る(得意な人向けの高い視点)。 放物線 の での接線を書くと、傾き 、接点 だから
与えられた直線族そのものだ。つまり「 のすべての接線が掃く領域」を聞いている。
差を計算すると 。どの接線も放物線の下側にあり、接点でだけ触れる。だから接線たちが塗りつぶすのは放物線の下側 の全体(各点はその真上の放物線の接線のどれかが通る)。
判別式(本解)が出した の図形的な種明かし。境界 は、直線族のどの 本とも接している曲線=包絡線。直線の族が曲線を浮かび上がらせる現象で、光の焦線などにも現れる。
ポイント
- の判別式 。
- 、すなわち (放物線とその下側)。
よくある間違い
- 「点を固定して の方程式とみる」発想の転換ができず、 の式のまま詰まる。
- 実数解の条件を として境界 (重解)を落とす()。
- 判別式 の向き(、放物線の下側)を誤る。