数学II / 軌跡と領域
領域上の距離の最小
問題
点 が三角形の領域 、、 を動くとき、 の最小値を求めよ。
ヒントを見る
式の形を『ある定点からの距離の 乗』と読み替える。その定点は領域の中か外か。外なら、領域のどこがその定点に最も近いかを図で特定しよう。
解答・解説
方針
は定点 からの距離の2乗。定点は領域の外にあるので、最小になるのは領域の境界上で に最も近い点。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 は、定点 から点 までの距離の 乗だ。
だから求めるのは「領域の中で に最も近い点」。
定点 は領域の外にある。外にあるなら、最も近い点は境界の上(辺への垂線の足か頂点)にある。
① 式の意味を読みかえる。 は、定点 から点 までの距離の2乗。だから「領域の中で に最も近い点」を探せばよい。
② 定点が領域の内か外かを確認する。 は なので、領域 の外にある。定点が外なら、最も近い点は領域の境界の辺の上にある。
③ 辺への垂線の足を求める。 いちばん近い辺は 。 からこの辺へ垂線を下ろすと、足は法線方向 に だけ戻った点 。この点は辺の端点 と の間にあるので、領域の点として採用できる。
④ 最小値を計算する。
まとめ: は「定点からの距離の2乗」。定点が領域の外なら、最も近い辺へ垂線を下ろした足が最近点(足が辺からはみ出すときは端点でとる)。
発展 — 一歩先へ。 定点から凸な領域への最短点は、ただ つに定まる(凸集合への「射影」)。その最近点は、辺への垂線の足か、さもなくば領域の頂点のどちらかだ。
最近点 では、 を中心とする円がちょうど辺 に接している。距離を表す円の等高線が、境界に接する場所が最短点、という見方だ。
もし定点が領域の内側にあれば、最短距離は (その点自身)。「点から凸領域への最短距離」は、最小二乗法や最適化で繰り返し現れる基本の操作で、射影という名で呼ばれる。
発展 — 一歩先へ。 定点から凸な領域への最短点は、ただ つに定まる(凸集合への「射影」)。その最近点は、辺への垂線の足か、さもなくば領域の頂点のどちらかだ。
最近点 では、 を中心とする円がちょうど辺 に接している。距離を表す円の等高線が、境界に接する場所が最短点、という見方だ。
もし定点が領域の内側にあれば、最短距離は (その点自身)。「点から凸領域への最短距離」は、最小二乗法や最適化で繰り返し現れる基本の操作で、射影という名で呼ばれる。
最小値 (点 のとき)
別解
別解 — 境界を 変数の 次式に落とす(得意な人向けの計算ルート)。 垂線の足を図で求める代わりに、境界の上で式を最小化する。
まず頂点での値を見る。、、。次に つの辺の内部を調べる。
いちばん小さくなるのは辺 の上だ。()を代入すると
これは下に凸の 次式で、頂点は 。値は 。 は範囲 の中にあり、点は 。
他の 辺(、)では最小が で、これより大きい。よって領域全体での最小値は 。垂線の足を幾何で出す本解と同じで、辺ごとに 次式へ落とせば図形の性質を使わずに詰められる。
ポイント
- は定点からの距離²。最小=最も近い点。
- 定点が領域外なら、境界(辺)への垂線の足が最近点。
よくある間違い
- 定点 が領域の内か外かを確かめず、いきなり最小値を としてしまう。
- 辺への垂線の足が線分からはみ出す場合を確かめず、直線までの距離で済ませる(はみ出せば頂点が最近点)。
- 最小値(距離の 乗) と、最小の距離 を取り違える。