数学II / 軌跡と領域

領域上の距離の最小

★★★ 応用領域最大最小

問題

が三角形の領域 を動くとき、 の最小値を求めよ。

ヒントを見る

式の形を『ある定点からの距離の 乗』と読み替える。その定点は領域の中か外か。外なら、領域のどこがその定点に最も近いかを図で特定しよう。

解答・解説

方針

は定点 からの距離の2乗。定点は領域の外にあるので、最小になるのは領域の境界上で に最も近い点。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 は、定点 から点 までの距離の 乗だ。

だから求めるのは「領域の中で に最も近い点」。

定点 は領域の外にある。外にあるなら、最も近い点は境界の上(辺への垂線の足か頂点)にある。

重要 は点 からの距離の2乗。領域上の最小=最も近い点までの距離²

① 式の意味を読みかえる。 は、定点 から点 までの距離の2乗。だから「領域の中で に最も近い点」を探せばよい。

② 定点が領域の内か外かを確認する。 なので、領域 の外にある。定点が外なら、最も近い点は領域の境界の辺の上にある。

③ 辺への垂線の足を求める。 いちばん近い辺は からこの辺へ垂線を下ろすと、足は法線方向 だけ戻った点 。この点は辺の端点 の間にあるので、領域の点として採用できる。

④ 最小値を計算する。

xyO(3,3)(2,2)
点(3,3)に最も近い領域内の点は(2,2)

まとめ: は「定点からの距離の2乗」。定点が領域の外なら、最も近い辺へ垂線を下ろした足が最近点(足が辺からはみ出すときは端点でとる)。

発展 — 一歩先へ。 定点から凸な領域への最短点は、ただ つに定まる(凸集合への「射影」)。その最近点は、辺への垂線の足か、さもなくば領域の頂点のどちらかだ。

最近点 では、 を中心とする円がちょうど辺 に接している。距離を表す円の等高線が、境界に接する場所が最短点、という見方だ。

もし定点が領域の内側にあれば、最短距離は (その点自身)。「点から凸領域への最短距離」は、最小二乗法や最適化で繰り返し現れる基本の操作で、射影という名で呼ばれる。

発展 — 一歩先へ。 定点から凸な領域への最短点は、ただ つに定まる(凸集合への「射影」)。その最近点は、辺への垂線の足か、さもなくば領域の頂点のどちらかだ。

最近点 では、 を中心とする円がちょうど辺 に接している。距離を表す円の等高線が、境界に接する場所が最短点、という見方だ。

もし定点が領域の内側にあれば、最短距離は (その点自身)。「点から凸領域への最短距離」は、最小二乗法や最適化で繰り返し現れる基本の操作で、射影という名で呼ばれる。

最小値 (点 のとき)

別解

別解 — 境界を 変数の 次式に落とす(得意な人向けの計算ルート)。 垂線の足を図で求める代わりに、境界の上で式を最小化する。

まず頂点での値を見る。。次に つの辺の内部を調べる。

いちばん小さくなるのは辺 の上だ。()を代入すると

これは下に凸の 次式で、頂点は 。値は は範囲 の中にあり、点は

他の 辺()では最小が で、これより大きい。よって領域全体での最小値は 。垂線の足を幾何で出す本解と同じで、辺ごとに 次式へ落とせば図形の性質を使わずに詰められる。

ポイント

  • は定点からの距離²。最小=最も近い点。
  • 定点が領域外なら、境界(辺)への垂線の足が最近点。

よくある間違い

  • 定点 が領域の内か外かを確かめず、いきなり最小値を としてしまう。
  • 辺への垂線の足が線分からはみ出す場合を確かめず、直線までの距離で済ませる(はみ出せば頂点が最近点)。
  • 最小値(距離の 乗) と、最小の距離 を取り違える。