数学II / 軌跡と領域
領域上の傾きの最大・最小
問題
点 が長方形の領域 、 を動くとき、 の最大値と最小値を求めよ。
ヒントを見る
に図形的な意味を与えられるか — 原点と点 を結ぶ直線の何にあたるか。そう読めれば、長方形のどの隅が極端かは図から選べる。
解答・解説
方針
は原点と点 を結ぶ直線の傾き。領域(長方形)を見わたして、原点から見て傾きが最も急な点・最もゆるい点をさがす。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 を、原点と点 を結ぶ直線の傾きと読み替える。
すると問題は「原点から見て、長方形のどの点への傾きが最も急か・最もゆるいか」に変わる。
傾き、という幾何的な翻訳が、最大最小を目で見える形に変える。
① の意味を読みかえる。 は、原点 とその点を結ぶ直線の傾き。だから「原点から見て、領域のどの点への傾きが最も急か・最もゆるいか」を考えればよい。
② 傾きが極端になる隅をさがす。 原点から見て傾きが最大になるのは、 が大きく が小さい隅。最小になるのは、 が小さく が大きい隅。長方形なので4隅を調べれば足りる。
③ その隅で を計算する。
最大は隅 、最小は隅 でとる。(参考:4隅の傾きは 。この中に最大・最小がある。)
まとめ: は「原点からの傾き」。図で原点から領域を見て、いちばん急・いちばんゆるい方向の点(ふつう頂点)でとる。
発展 — 一歩先へ。 のような分数一次式は、原点を通る半直線の上ではどこでも同じ値をとる。 で、値は「向き」だけで決まり、原点からの距離にはよらない。
原点を含まない凸領域の上で を動かすと、値の動く範囲は、原点から領域へ引いた 本の接する半直線(支持線)の傾きで挟まれる。今の長方形では、その接する半直線が対角の頂点 と をかすめている。
一般に を凸領域上で最大最小する問題は、値が等しい点の集まりがすべて直線になるため、頂点や境界だけを調べれば済む。 次式(線形計画法)と分数一次式に共通する、「凸領域の端で極値をとる」性質だ。
発展 — 一歩先へ。 のような分数一次式は、原点を通る半直線の上ではどこでも同じ値をとる。 で、値は「向き」だけで決まり、原点からの距離にはよらない。
原点を含まない凸領域の上で を動かすと、値の動く範囲は、原点から領域へ引いた 本の接する半直線(支持線)の傾きで挟まれる。今の長方形では、その接する半直線が対角の頂点 と をかすめている。
一般に を凸領域上で最大最小する問題は、値が等しい点の集まりがすべて直線になるため、頂点や境界だけを調べれば済む。 次式(線形計画法)と分数一次式に共通する、「凸領域の端で極値をとる」性質だ。
最大値 、最小値
別解
別解 — 分数を大きく/小さくするコツで隅を選ぶ(苦手な人向けの直感ルート)。 という分数を、そのまま大小で考える。
分数を大きくしたいなら、分子 をできるだけ大きく、分母 をできるだけ小さくする。長方形では の最大は 、 の最小は だから、最大は 。
小さくしたいなら逆に、分子を小さく分母を大きく。 の最小 、 の最大 で、最小は 。
と は長方形の中でそれぞれ独立に動ける。だから分子と分母を別々に端へ寄せてよい(これは長方形だからできる技で、境界が斜めだと使えない)。最大 (隅 )・最小 (隅 )。原点からの傾きで見る本解と同じ答えで、「分子を大きく分母を小さく」と読むと隅がすぐ決まる。
ポイント
- は原点からの傾き。図で傾きの急・ゆるを見る。
- 傾きの端は領域の隅(頂点)で起こる。
よくある間違い
- 最大と最小が同じ隅で起こると思い込み、片方の隅だけ調べる。
- を のような差と混同し、平行移動する直線として扱ってしまう。
- 分子・分母の端を取り違え、 のように計算する(最大は分母を小さく取る)。