数学II / 軌跡と領域
直角を見込む点の軌跡
問題
原点 を通る直線 と、点 を通り に垂直な直線 の交点を とする。 の傾きが変化するとき、 の軌跡を求めよ。
ヒントを見る
直線がつねに垂直ということは、 から 定点を見込む角がつねに一定。この『見込む角』から連想される円があるはず。除外すべき点がないかも吟味を。
解答・解説
方針
なので、交点 から見て と は直角に見える()。直角を見込む点は、その2点を直径とする円上にある。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 だから、交点 から と は直角に見える()。
直角を見込む点は、その 点を直径とする円の上にある(タレスの定理)。
「直角を見込む点は直径の円上」と言い換えると、座標の計算がほとんど要らなくなる。
で、 は ( を通る)と ( を通る)の交点。よって 、つまり 。
直角を見込む点は、線分 を直径とする円上にある。直径 の中点 が中心、半径は 。
除外点を吟味する。 が 軸(傾き )のとき、 は直線 で、交点はちょうど 。つまり は軌跡に含まれる。一方、交点が になるには が を通る必要があるが、傾き の に対し は を通る傾き の直線で、 を通ると となり不可能。よって除くのは だけ。
発展 — 一歩先へ。 ここでは見込む角が だったので、軌跡は を直径とする円になった。見込む角を 以外の一定角 に変えると、軌跡は を弦とする円弧になる(同じ弧の上では円周角が一定、という定理)。
角 が小さいほど弧はふくらんで大きな円になり、 を に近づけると直線 の延長にせまる。 はちょうど半円で、円の直径が になる特別な場合だ。
端点 、 で軌跡が切れるのは、そこでは角を見込むこと自体ができないから。円周角の定理は、この単元の「 定点を見込む」型の軌跡すべての背骨になっている。
発展 — 一歩先へ。 ここでは見込む角が だったので、軌跡は を直径とする円になった。見込む角を 以外の一定角 に変えると、軌跡は を弦とする円弧になる(同じ弧の上では円周角が一定、という定理)。
角 が小さいほど弧はふくらんで大きな円になり、 を に近づけると直線 の延長にせまる。 はちょうど半円で、円の直径が になる特別な場合だ。
端点 、 では「角を見込む」こと自体ができない。だが元の問題は「 直線の交点」で定義されているから、端点が軌跡に入るかは、交点として実現するかで別に確かめる。今回は が傾き の交点として現れ、 はどの傾きでも現れなかった。言い換えた条件(見込む角)と元の条件(交点)のずれを端点で埋めるのが、軌跡の仕上げの一歩だ。
円 (点 を除く)
別解
別解 — いくつか実際に交点を打って円を見つける(苦手な人向けの実験ルート)。 定理を思い出す前に、手を動かして点を並べてみる。
の傾きをいろいろ変え、( を通り に垂直)との交点 を計算する。
- 傾き :、。交点 。
- 傾き :。
- 傾き :、。交点 。
- 傾き : は 軸、 は直線 。交点 。
これらはすべて中心 、半径 の円 の上に乗る(例:)。 自身も、傾き の交点としてきちんと現れる。
では はどうか。交点が になるには が を通らなければならないが、 は を通る傾き の直線なので、 を通ると となって不可能。どんな傾きでも は に届かない。だから除くのは だけ。実験で見えた円は、タレスの定理で解く本解の答えと一致する。
ポイント
- 直角を見込む点 → 2点を直径とする円(タレスの定理)。
- 直径の中点が中心、直径の半分が半径。
よくある間違い
- 除外点の吟味を誤る(円をそのまま答えにして を残す、逆に、傾き で交点が になることを見落として まで除いてしまう)。
- 直径 の中点 でなく、端点や原点を中心にしてしまう。
- の傾き の式で押し切ろうとして、 の場合の確認を飛ばす。