数学II / 複素数と方程式
3つの解がすべて正の実数になる条件
問題
の3次方程式
の3つの解がすべて正の実数となるような実数 の値を求めよ。
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解と係数の関係で、 の入らない2つの情報(和と積)が手に入る。正の数3つの和と積 — この2つを結びつける有名な不等式に当てはめると、何かぎりぎりのことが起きていないか。
解答・解説
方針
解と係数の関係から、和が6・積が8( は関与しない)。正の実数3つで和6・積8は、相加相乗平均の不等式のちょうど等号 — 等号成立条件から3解がすべて2に固定され、k は自動的に決まる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 3つの解を とすると、解と係数の関係で和 、積 、そして 。
を動かして実現できる解の組を探す問題に見える。だが実は、 の入らない2つの情報(和6・積8)だけで勝負がつく。正の実数3つなら相加相乗平均が使えて、 と — 不等式がちょうど等号になっている。
等号成立は3つがすべて等しいときに限る。解は に固定されてしまう。
① 解と係数の関係。
② 相加相乗の等号。 3解がすべて正の実数なら
不等式が等号で成立しているから、等号条件より 。和が6だから 。
③ を求め、逆を確かめる。 。逆に のとき
で、解は (三重解)。たしかに「3つの解がすべて正の実数」を満たす。よって 。
まとめ: 与えられた和と積が相加相乗の等号ぴったりであることを見抜くのが全てだ。不等式は大小を比べる道具である以上に、「等号条件で解を1点に固定する」道具にもなる。最後に逆の確認まで書いて完答。
発展 — 一歩先へ。 一般に「和 ・積 の正の実数3つが存在する」ためには が必要で、境界ではちょうど三重解になる。本問は の境界の上に立っていた、というわけだ。
(このとき方程式は )
別解
実数条件から攻める(判別式ルート)。 相加相乗に気づかなくても、1つの解を主役にして実数条件で詰められる。
解の1つを とすると、残り2解 は、和 ・積 をもつ2次方程式
の解だ。これが正の実数解をもつには、判別式 が必要:
ところが左辺の最大値を相加相乗(3つの数 の組に適用)で調べると
上からも下からも32。つまり が強制され、等号条件 から 。残り2解も判別式0で 。
道具は結局同じ相加相乗だが、「実数条件の不等式が、可能性の上限とぴったり噛み合って1点に潰れる」という別の景色が見える。条件がきついほど答えは固まる — その感触ごと持ち帰りたい。
ポイント
- 和6・積8( 抜きの情報)を取り出す。
- 相加相乗が等号 → 。
- 、逆の確認は 。
よくある間違い
- を含む3次の判別式を直接評価しようとする。 抜きの2情報(和・積)で先に決まるのが本問の設計。
- 相加相乗の等号条件()を引用せずに「等しいはず」と飛ぶ。等号条件こそが解を固定する根拠。
- 逆の確認( で実際に 、解が正の実数)を省く。必要から出した答えは十分性の検分で閉じる。