数学II / 複素数と方程式
3乗して 18+26i になる複素数
問題
を満たす複素数 のうち、( は整数)の形で表されるものを求めよ。
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実部と虚部の連立は3次で歯が立たない。方程式の「影」をとる — 両辺の絶対値はどう対応するか。整数の2乗の和が特定の値になる組は、ごくわずかしかない。
解答・解説
方針
実部・虚部の連立(3次の2本)を眺めても手が出ない。先に絶対値をとる: |z|³=|18+26i|=√1000 から |z|²=10。整数条件から a²+b²=10 で候補は8個に絞られ、代入で確定する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 を展開して実部・虚部を比べると 、。3次の連立で、正面からは解けない。
そこで方程式の絶対値をとる。 なら 。これは元の方程式の「影」で、 という2次の関係を1本くれる。整数条件と合わされば候補は有限個。あとは代入で仕留める。
① 絶対値をとる。
よって 、すなわち
② 候補を列挙する。 整数で2乗の和が10になるのは のみ。符号も含めて候補は8個。
③ 代入して確定する。 だから、実部 、虚部 を確かめる。:
で適する。他の候補は、たとえば は実部 、 は 全体の符号が反転して 、のようにどれも合わない。よって
まとめ: 「絶対値をとる」は複素数の方程式の第一手だ。3乗の逆算が、格子点探し()という有限の問題に落ちる。なお の解は全部で3つあるが、残り2つは に (1の3乗根の虚数のもの)を掛けたもので、成分が整数にならない。
発展 — 一歩先へ。 成分が整数の複素数(ガウス整数)の世界では、 は「完全な立方数」だ。ガウス整数にも素因数分解の一意性があり、この種の方程式はその世界の言葉で自然に説明される。整数論が複素数へ広がっていく入り口である。
別解
約数で絞る(整数の目のルート)。 絶対値を使わずに、実部・虚部の式そのものから整数の情報を搾り取ることもできる。
実部の式を因数分解すると
は整数だから、 は18の約数。同じく虚部から
で、 は26の約数だ。候補は 、 に限られる。
大きい候補はすぐ消える( なら が18に合わない、など)。小さい候補を系統的に試すと、: から 、虚部の検算 から — だけが両方を満たす。
「整数解なら約数で絞れる」という整数問題の常套手段が、複素数の方程式にもそのまま刺さる。絶対値ルート(本解)との2本立てで、答えの信頼は万全になる。
ポイント
- → 。
- 候補は の8個。
- 代入で だけが適し 。
よくある間違い
- の展開で の符号を落とす。実部 、虚部 を丁寧に。
- 候補 を検算せずに答える。実部が になって不適。8候補は面倒でも全部つぶす。
- を使わずに3次の連立へ突っ込む。絶対値という「影」が次数を下げてくれる。