数学II / 複素数と方程式
解を解に移す恒等式
問題
とする。
(1) 等式 が成り立つことを示せ。
(2) が方程式 の解ならば、 もこの方程式の解であることを示せ。
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(1)を正面から6次の展開でやるか、うまい置き換えを探すか。 を書き出して と見比べると、共通のかたまりが見えないか。(2)は(1)ができていれば一瞬 — 代入するだけ。
解答・解説
方針
(1)は6次式どうしの恒等式だが、u = x³−3x とおくと f(x)=u+1、f(−x)=1−u で右辺は 1−u² の形 — 和と差の積に見えて計算が2行で済む。(2)は(1)に α を代入するだけ: 恒等式が「解を解に運ぶ」。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 (1)は両辺とも6次の恒等式で、力ずくの展開でも届くが、見通しよくやりたい。
を と並べると、 のかたまりが符号違いで現れている。そこで とおけば 、 で、右辺は と和と差の積に潰れる。
あとは左辺も で書けることを確かめるだけ。(2)は(1)の恒等式に を代入する。恒等式が解を次の解へ運ぶ構造だ。
① 右辺を計算する。 とおくと
② 左辺を計算する。 だから
①と一致するので、 が恒等的に成り立つ。
③ (2) を示す。 が解なら 。(1)に を代入して
よって も の解である。
まとめ: 置き換え が6次の計算を2行にする。実はこの方程式の3つの解は と、1つの式で巡回して結ばれている。1つの解から残りの解が「作れる」珍しい3次方程式で、その仕掛けを恒等式1本が支えている。
発展 — 一歩先へ。 巡回の正体は角の倍加だ(別解)。解を と書くと、 は角を2倍にする操作で、 と3回でひと回りする。
(1) とおくと両辺とも (証明) (2)
別解
で正体を見る(角の倍加ルート)。 置き換え を試すと、この恒等式の意味が見えてくる。
まず部品を計算する。三倍角の公式から
また、倍角の公式から 。つまり「」は「角 」の言い換えだ。
両辺を計算すると、左辺は 。右辺は を使って
(最後は倍角 。)両辺が一致した。
これで のすべての で等式が成り立つ。両辺は多項式で、無限個の点で一致する多項式は恒等的に等しいから、(1)が示された。展開のない証明であると同時に、「 =角の倍加」という(2)の巡回の種明かしにもなっている。
ポイント
- で 。
- 左辺も展開して で一致。
- を代入すれば も解。
よくある間違い
- の展開で の係数を誤る。3乗の展開は項ごとに検品。
- を と混同する。 で、定数項の符号は変わらない。
- (2)で が必要だと誤解する。0になるのは の側で、掛け算全体が0になれば十分。