数学II / 複素数と方程式

2つの2次方程式の共通解

最難関編共通解場合分け

問題

2つの の2次方程式

が少なくとも1つの共通の解をもつような実数 の値をすべて求めよ。

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共通解を文字でおいて2式の差をとると、次数が下がって積の形に割れる。分かれた2つの場合のうち、片方は「方程式そのものが一致してしまう」場合 — そのとき共通解は実数とは限らないが、それでも「解」ではないか。

解答・解説

方針

共通解を t とおいて両方の式に代入し、2式の差をとって次数を下げる。差は (a−1)(t−1)=0 と因数分解され、t=1 の場合と a=1 の場合に分かれる。a=1 では2式が同一になり、実数解はないが虚数の共通解をもつ — ここを落とさない。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 共通解問題の定石は、「共通解 をおいて両式に代入し、差で次数を下げる」だ。差は1次以下になるから、場合分けがはっきり見える。

本問の罠は最後にある。差から出る2つの場合のうち「」では、2つの方程式が同一の になる。判別式は負で実数解はない。だが方程式の「解」は複素数の範囲で考えるのが約束だから、虚数の共通解をもつ も答えに入る。

重要共通解は差で次数下げ+場合分け。共通「解」は実数とは限らない — 判別式が負でも2つの虚数解を共有し得る

① 差をとる。 共通解を とすると

辺々引いて

よって または

の場合。 第1式に代入して 。このとき2式は

で、たしかに を共有する。

の場合。 2式はどちらも — 同じ方程式になる。判別式は で実数解はないが、2つの虚数解

を(当然)共有する。よって も条件を満たす。

④ 結論。

まとめ: 「差で1次に落とす」が技術の柱、「共通解は虚数でもよい」が思想の柱。もし問題文が「共通の実数解」と言っていたら、答えは だけ。一語で答えが変わる境目まで見えて完答になる。

発展 — 一歩先へ。 2式から を完全に消去して「 だけの条件」を作る操作は、一般には終結式と呼ばれる道具に育っていく。差で次数を下げる本問の手つきは、その最初の一歩そのものだ。

( のときの共通解は虚数)

別解

で値が等しい」に先に気づく(観察ルート)。 差を計算する前に、2つの式を眺める。

を入れると、 — どんな でも同じ値だ( の係数の場所が入れ替わっているだけだから)。

これは「差 が必ず を因数にもつ」ことを意味する(差は で0になる1次式)。実際 。差の因数分解の形が、計算の前から予言できたわけだ。

あとは本解と同じ場合分けに入る。共通解の候補が に絞られる理由は、「2つの式が最初から で同じ値をとるように作られていた」から。式の対称性(係数の入れ替え)を先に見る目は、計算の結果に意味を与えてくれる。

ポイント

  • で場合分け。
  • (共通解 )。
  • → 両式一致、虚数解 を共有。

よくある間違い

  • を「実数解がないから不適」と捨てる。この問題最大の罠。解は複素数の範囲で数えるのが既定。
  • 差から を得たのに、 の枝だけ調べて の枝を忘れる。
  • を両方の式に代入して条件を2本作り、連立で混乱する。1本で が決まり、もう片方は自動的に成り立つ。