数学II / 複素数と方程式
3つの解の差積の平方
問題
3次方程式 の3つの解を とするとき、
の値を求めよ。
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。和が0であることを使うと、 も も で書けてしまう。各因子が1文字ずつの式になったら、積はどう計算するか。
解答・解説
方針
解の対称式だから解と係数の関係で計算できるが、正面から展開すると手に負えない。 を使って を だけの式に直す(2解の和と積を残りの1解で表す)と、3因子の積が「多項式の値の積」に翻訳される。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 求める量は解の対称式だから、解と係数の関係だけで必ず届く。問題は経路だ。6次の対称式を力ずくで展開するのは無謀である。
急所は 。これで 、 と、2解の情報が残り1解だけで書ける。
すると が の式、 が の式、…と1文字ずつに分かれる。3つの積は「同じ式に3解を代入した値の積」— 解と係数で機械的に計算できる形になる。
① 各因子を1文字の式に直す。 は で値1なので 。、 だから
ここで (方程式による次数下げ)を使うと
② 3因子を掛ける。 同様に 、。よって
③ 対称式の値を入れる。 展開して
だから
まとめ: 「和が0」の3次では、2解の対称式を残り1解に押しつけられる。これが差積の平方を計算可能にする急所だ。この量は解の重なり具合を測る量(判別式)で、正の値81は「3解がすべて相異なる実数」であることも同時に教えてくれる。
発展 — 一歩先へ。 一般に の判別式は で、本問は 。さらにこの方程式、実は の角の三等分と同じ式で、解を根号だけで書くことができない(三角関数が要る)ことで有名な3次方程式でもある。
別解
解を三倍角で書き下ろす(解の正体を見るルート)。 この方程式の解は、三角関数で明示できる。 とおくと、三倍角の公式から
なので、方程式 は に化ける。 から
の3つが解だ( の範囲に3実解が全部いたことになる)。
この表示で差積の平方を数値計算すると、 ときっかり整数に着地する。無理数の3解から作った量が整数になるのは、対称式だから(本解の計算がその証明)。解の正体(三角表示)と、対称式の計算(本解)——2つの顔を突き合わせると、この問題の景色が立体になる。
ポイント
- 、 で1文字化。
- 次数下げで 。
- から積は 。
よくある間違い
- 6次の対称式を基本対称式で正面展開しようとして挫折する。 による1文字化が入り口。
- の符号を誤る。(定数項の符号に注意)から出す。
- の展開で対称式の符号を落とす。4項(積・2次・1次・定数)を順に書く。