数学II / 複素数と方程式
負の数の平方根
問題
次を計算せよ。
(1)
(2)
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根号の中が負のときは、計算を始める前に を外へ出しておくのが鉄則。先に根号どうしを掛け合わせると符号を間違える — この問題はまさにその罠を突いてくる。
解答・解説
方針
()は、先に に直してから計算する。直さずに の中どうしをかけると符号を間違える。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 ()を見たら、計算の前に へ直す。これが鉄の掟だ。
という規則は、中身が負の数では使えない。直さずに中身どうしを掛けると、符号が逆の誤答に落ちる。
に直してしまえば、あとは の普通の計算。「まず をくくり出す」を反射にする。
公式 のとき 。負どうしは先に を出す()
(1) それぞれ を出してからかける。
もし先に中どうしをかけて とすると、符号がちがってしまう。負の数の平方根は、必ず先に を出す。
(2) こちらも先に を出す。
どうしが約分され、中身だけの割り算になる。
発展 — 一歩先へ。 「便利な規則には適用条件がある」という教訓は、複素数に限らない。(正しくは )、(真数が正のとき)など、条件を忘れた瞬間に事故る規則は数学中にある。
なぜ負の中身で壊れるのか。根本の理由は、複素数の世界では平方根が2つあって「どちらを と呼ぶか」の首尾一貫した選び方が難しくなるからだ。数学Cで偏角を学ぶと、この事情がすっきり言葉にできる。
答
(1) (2)
別解
「どの規則が、どこまで使えるか」を整理しておくと、この問題の意地悪さが見通せる。
が保証されるのは、 がともに 以上のときだけだ。
- (1) 負 × 負: 規則の適用外。 に直すと 。中身を掛けた とは符号が逆になる。
- (2) 負 ÷ 負: これも適用外だが、 に直すと で が約分され、結果 は中身を割った と偶然一致する。
「(2)は中身の計算でも合うから」と規則を信じると、(1)で裏切られる。一致するかどうかが場合による以上、規則の外では常に 経由で計算する、が唯一の安全策である。
ポイント
- ()を必ず先にやる。
- 負×負の平方根は の中をかける前に を出す。
よくある間違い
- とする(正しくは )
- (2)が中身の割り算と一致したことから、(1)でも規則が使えると誤信する
- を と混同する()