数学II / 複素数と方程式

複素数の除法

★★ 標準複素数の除法分母の実数化

問題

( は実数)の形にせよ。

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分母から を追い出したい。分母・分子に何をかければ、分母が『 乗の和』の形の実数になるだろう。

解答・解説

方針

分母に があると の形にならない。分母の共役を上下にかけて、分母を実数にする(分母の実数化)。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 ゴールは の形。邪魔なのは分母の だ。

分母 の共役 を、分子と分母の両方にかける。共役の積は の実数になるから、分母から が消える。

分数の値を変えずに形だけ変える。「分母の実数化」は、無理数の分母の有理化とまったく同じ発想である。

公式分母の実数化:分母の共役を上下にかける。(実数)

分母 の共役 を、分母・分子にかける。

分母は共役の積なので実数。

分子を展開する。

まとめて

発展 — 一歩先へ。 「共役をかけて分母を実数に」は、 の有理化・数学IIIの極限の変形と同じ、「相方をかけて世界を戻す」一族の技だ。

複素数では 以外のどんな数でも割り算ができる(実数化が必ず成功する)。この「四則がすべて自由にできる」性質こそ、複素数を数の体系のゴールたらしめている事実で、方程式が必ず解ける世界(代数学の基本定理)の土台になっている。

別解

割り算を「掛け算の逆」として、正面から解く道もある。

求める商を とおくと、 ということだ。

左辺を展開すると 。実部・虚部を右辺と比べて

連立を解いて 。共役ルートと同じ答えになる。

手数は多いが、「割り算とは掛けて元に戻る数を探すこと」という定義そのものを体験できる。共役をかける技は、この連立を一発で解くための仕掛けだった、と種明かしされる別解である。

ポイント

  • 分母の実数化=分母の共役を上下にかける。
  • 実部・虚部に分けて の形で答える。

よくある間違い

  • 分子だけ、分母だけに共役をかける(両方にかけて値を保つ)
  • 分母の共役の符号を誤り、 が消えない
  • 分子の展開 の処理を忘れる