数学II / 複素数と方程式

複素数の計算(累乗)

★★ 標準複素数の四則i の累乗

問題

次を計算せよ。

(1)

(2)

(3)

ヒントを見る

を文字と思って展開し、 だけ実数に置きかえる。(3)は展開する前に形をよく見ると、計算がほとんど要らないことに気づく。

解答・解説

方針

さえ守れば、あとは文字式の展開と同じだ。展開してから、 が出たところを に置きかえて整理する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 複素数の計算は、新しい規則を1つだけ足した文字式の計算だ。その規則が

ふつうに展開して、 が現れた瞬間に へ置きかえる。それだけである。

最後は「実部+虚部 」の形に整理して仕上げる。 の入った項と入っていない項を、きちんと分けて書く。

公式

(1) ふつうに2乗を展開する。

なので

(2) まず2乗、次に1回かける。

これに をかける。

(3) 和と差の積なので、まん中の項が消える。

共役な複素数どうしの積は、いつも実数(ここでは )になる。

発展 — 一歩先へ。 という結果は、意味を持っている。数学Cの複素数平面で学ぶと、「2乗すると偏角が2倍になる」ため、 方向の が2乗で真下( 方向)を向くのだ。

共役の積 は、複素数の「大きさの2乗」でもある。計算規則として覚えた式が、あとで図形の言葉(距離・角度)に化ける。その伏線として、 の計算に慣れておこう。

(1) (2) (3)

別解

形を見てから手を動かすと、展開が省ける小問がある。

(3)は 。符号だけ違う共役どうしの積だ。和と差の積の公式で

一般に 。共役の積は必ず「実部の2乗+虚部の2乗」の実数になる。次の割り算の問題で分母を実数化できるのは、この事実のおかげだ。

(2)の3乗も、2乗を部品にすると軽い。 を先に作り

3乗の展開公式を丸ごと回すより、2乗の結果 という小さい部品を経由するほうが速くて安全だ。

ポイント

  • が出たら必ず に直す。
  • (共役の積は実数)。

よくある間違い

  • をそのまま残して整理を忘れる()
  • (2)で の展開の符号(奇数乗のマイナス)を誤る
  • 答えを の形に整理し切らず、 の項が散らばったまま提出する