数学II / 複素数と方程式

2次方程式の複素数解

★ 基礎2次方程式複素数解

問題

2次方程式 を解け。

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因数分解は難しそうなので解の公式へ。根号の中が負になるが、あわてない — 負の数の平方根を を使って書き直せばよい。

解答・解説

方針

解の公式で計算する。判別式が負になると、根号の中が負 → 虚数解になる。 を使う。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 まず判別式で、解の様子を確認する。

負だから、実数解はない。 しかし複素数の範囲なら、必ず解ける

をどう扱うか。 これが山場だ。

ではない。 である。 負の数の平方根は、 を使って書く。

解は — 共役のペアになっている。実数係数の方程式だから、当然だ。

「解なし」ではない。 複素数を学んだ今、 次方程式は必ず つの解を持つ

公式解の公式

。判別式は

負なので虚数解になる。 を使って

(判別式が負なら、 と書きかえるだけ。共役な2解 がペアで出る。)

発展 — 一歩先へ。 複素数を導入したことで、判別式の意味が変わった

中学・数Iまで: なら「解なし

複素数を知った今: なら「虚数解を つ持つ

「解なし」という言葉が消えた。 次方程式は、複素数の範囲で必ず つの解を持つ( なら重解を つと数える)。

そして、これが一般化される。

代数学の基本定理である( 世紀にガウスが証明した)。

この定理の凄みを味わってほしい。 どんなに複雑な方程式でも — でも — 複素数の中には、ちょうど 個の解がある つも欠けず、 つも余らない。

数の世界を複素数まで広げると、方程式の解が"ちょうど"収まる。 これ以上広げる必要はない( 次方程式の解も、 次方程式の解も、すべて複素数の中にいる)。

複素数は代数的に閉じている、という。方程式を解くために数を発明してきた人類の旅は、複素数で終着点に達したのだ。

自然数から始まり、引き算のために負の数を、割り算のために分数を、 のために実数を、 のために複素数を — そのたびに世界は広がり、そして複素数で完成した。

が解けたこと。それは、この長い旅の終点に立っているということである。

別解

解の公式を使わず、平方完成で解く。 公式を忘れても解けるし、 が現れる瞬間が見えるので、理解が深まる。

平方完成する。

の係数 の半分()を使って

ここが決定的な瞬間だ。

乗して になる数」を探している。 実数の世界では、 乗は必ず 以上 — だから実数解は存在しない(判別式が負、というのはこのことだ)。

しかし複素数なら、ある。

つ。 だから

解の公式と同じ答え ✓。

平方完成ルートの利点。

つ目: 公式を覚えなくてよい。 の係数の半分を引いて、足して引いた分を調整するだけ。

つ目: なぜ虚数解が出るのかが見える。 負の数」という不可能な要求に、 が答えている — の存在理由が、目の前で分かる。

つ目: 実部 、虚部 という構造が直接出る。 という形から、実部は (平方完成でずらした分)、虚部は であると読める。解の公式の分数計算より、見通しがよい。

検算は、解と係数の関係で。

  • 解の和: — 係数から
  • 解の積: — 係数から

共役の積が実数()になる — 前問で見た そのものだ。 ✓。

次方程式が虚数解を持つとき、その解は必ず「実部 頂点の 座標」「虚部 」の形をしている。 グラフで言えば、放物線が 軸から浮いているとき、その"浮き"の分が虚部として現れるのだ。

頂点 軸から だけ浮いている。 この となって、虚部 に化ける。グラフの"浮き上がり"が、虚数の正体である。

ポイント

  • 判別式 → 虚数解(共役なペア)
  • のように で書く
  • 実数係数なら虚数解は必ず共役ペア

よくある間違い

  • 判別式が負でも実数解を無理に出そうとする
  • とする( が正しい)
  • で割るのを忘れる( の分母は )