数学II / 微分の考え

極大値と極小値の和

最難関編極値対称性

問題

3次関数 が極大値と極小値をもつとする。このとき、(極大値)(極小値)は変曲点の 座標の 倍に等しいことを示せ。

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極大点と極小点は、変曲点をはさんで左右にある。グラフが変曲点について点対称であることを認めれば、2点の 座標の関係がすぐ見える。変曲点は の点。

解答・解説

方針

3次関数のグラフは変曲点について点対称。極大点と極小点は変曲点に関して対称だから、2つの 座標の平均が変曲点の 座標になる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 3次関数のグラフには、変曲点について点対称という強い性質がある。

極大点と極小点は、この対称の中心をはさんで、ちょうど対称の位置に並ぶ。対称なペアの 座標の平均は、中心の 座標そのもの。だから和は変曲点の の2倍になるはずだ。

証明では、「極値点の中点が変曲点に一致する」ことを解と係数の関係で確かめてから、点対称を使う。極値を個別に計算して足す長い道は避けられる。

定理3次関数 のグラフは変曲点 について点対称

① 極値点と変曲点。 。極大・極小をとる とすると、解と係数の関係で

また より変曲点の 座標は 。よって

すなわち極大点と極小点は、変曲点を中点として左右対称に並ぶ。

② 点対称の利用。 グラフは変曲点 について点対称。 に関して対称()だから、点対称の定義より

が成り立つ。左辺は(極大値)(極小値)、右辺は変曲点の 座標の2倍。

xyO極大極小変曲点
3次関数のグラフは変曲点について点対称。極大点と極小点の中点が変曲点 → 極大値+極小値=(変曲点のy座標)×2

まとめ:極値を個別に計算せず、「グラフの点対称」と「極値点が変曲点に関して対称」から一気に示すのが急所。点対称 を入れた形になっている。

発展 — 一歩先へ。 点対称そのものの証明も、平行移動なら一瞬だ。(変曲点を原点へ移す)と置きかえると、3次式は の形になり、2次の項が消える。 は奇関数だから原点対称。もとに戻せば「どんな3次曲線も変曲点について点対称」。すべての3次曲線は、原点対称の曲線のただの平行移動なのだ。

極大値 極小値 (変曲点の 座標の2倍)

別解

割り算の余りで極値を扱う(対称性の定理を使わない)。 グラフの点対称を天下りに使いたくないときは、 で割るのが強力だ。

実際に割ると、商は 、余りは

極値点 では だから、極値は 1次式なので、2点での値の和は中点での値の2倍になる:

一方、変曲点 では、商がちょうど消える:。だから

ゆえに 。示された。

「極値は で割った余りで求める」という定石が、和の公式まで一気に運んでくれる。商 が変曲点で消えるのが、この証明の小さな奇跡だ。

ポイント

  • 極値点の和 、変曲点 、中点が一致。
  • グラフの点対称より
  • 極大値+極小値=変曲点の の2倍。

よくある間違い

  • 「3次のグラフは点対称」を証明なしに使って減点される。平行移動で2次の項が消えること(または別解の割り算)を一言添える。
  • の解と係数を とする( で割り忘れ。正しくは )。
  • どちらが極大かを特定しようとして場合分けを始める。和をとるだけなら区別は不要。