数学II / 微分の考え
不等式の証明(微分)
問題
のとき、不等式 が成り立つことを示せ。
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『左辺の最小値が 以上』を示す方針に切り替える。左辺を関数とみて での増減表を書き、いちばん低いところの値を確かめよう。
解答・解説
方針
左辺を とおき、 での最小値が 以上であることを示す。 で増減を調べ、最小値を求める。最小値が なら不等号()が成り立つ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「 を示せ」と言われたら、左辺を関数 とみて、最小値が 以上であることを示せばよい。すべての で成り立つことと、いちばん低い所で成り立つことは同じだからだ。
で増減を調べ、 での最小値を特定する。
今回は最小値がちょうど になる。「余裕をもって正」ではなく「すれすれで 」— 等号が成り立つ瞬間()がある不等式だと分かる。
① とおいて微分する。 。
② で増減を調べる。 は、 で負、 で正。よって で最小。
③ 最小値を求める。
では 。 での最小値は のときの 。
④ 結論。 での最小値が だから、つねに 。すなわち
等号は のとき。
まとめ:不等式 の証明は「最小値 を示す」に言いかえる。微分で最小値を出し、それが 以上なら証明完了。等号成立の も答えると丁寧だ。
発展 — 一歩先へ。 「最小値がちょうど 」の不等式は、グラフが 軸に接する瞬間を持つ。だから左辺は必ず(重根)を含み、今回のように へ分解できる可能性が高い。等号付きの不等式証明では、まず等号成立点を探して因数定理を試すのは有力な偵察だ。
ただし因数分解がいつも見つかるとは限らない。指数や三角関数が混ざる不等式(数IIIで登場)では分解が存在せず、微分で最小値を追う方法だけが通用する。汎用の微分ルートを本解に据えるのはそのためだ。
での最小値が なので成立
別解
この左辺は、実は微分なしの因数分解で片づく。
を代入すると 。因数定理で をもつ。割ってみると
がさらに と割れて、 が 乗で現れる。
あとは符号を見るだけ。 はいつでも成立。 なら 。よって積は — 証明終わり。
微分ルートで「最小値が 」だったことと、因数分解で「 が現れる」ことは同じ事実の裏表だ。グラフが で 軸に接しているから、式では重根 になる。等号成立 も因数から一目で読める。
ポイント
- ⟺ 最小値 。
- 微分で最小値を出す。等号成立の も確認。
よくある間違い
- 増減を調べず など数点の代入だけで「成り立つ」と結論する
- の条件を忘れて全実数で示そうとして詰まる( では不成立: )
- 最小値が なのに と書いてしまう(等号成立 がある)