数学II / 微分の考え

3次不等式の証明(因数分解)

実戦編微分不等式因数分解重解単元横断

問題

のとき、不等式 が成り立つことを示せ。また等号が成り立つ を求めよ。

ヒントを見る

を因数分解。 を代入すると (しかも重解)。 で符号は?

解答・解説

方針

を因数分解する。 が重解であることを見抜くと になり、 で各因数の符号から非負が言える。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 不等式の証明は、差 を作って符号を調べるのが出発点。

3次式の符号は因数分解が最短だ。 に気づけば で割れる。商をさらに見ると、また で消える — は重解で、

平方 は常に 以上。残る の符号が、条件 でちょうど非負になる。条件の出どころまで因数分解が教えてくれる。

重要(重解 と解 )

① 差を因数分解。 より は重解。組立除法などで ② 符号。 のとき だから すなわち

③ 等号。 または 、すなわち または

xyOx=1(等号)
x³−(3x−2)=(x−1)²(x+2)≥0(x≥−2)。y=x³ は y=3x−2 の上(x=1 で接する)

まとめ、等号は 。不等式(差の符号)と因数分解(重解)の融合。

発展 — 一歩先へ。 一般に での接線と曲線の差は と因数分解される。接線は必ず で曲線を再び横切り、その点での曲線の傾きは接点での傾きのちょうど4倍()になる。「重解2つ+残り1つ」という3次の解の配置が、接線の幾何を全部決めている。

とすると では かつ より 。等号は または 、すなわち または

別解

別解 — の正体は接線(得意な人向けの種明かし)。 右辺の直線 を、曲線 と見比べる。 で値は 、傾きは — 完全に一致。

つまり は、 における接線である。

すると差 と因数分解される理由も見える。接する点は重解 を、接線が曲線を再び横切る点 が因数 を担う。

不等式 ()の主張は、「3次曲線は、再交点から先では接線の上側にいる」という絵そのものだった。増減表で示すこともできるが、この種明かしを知ると忘れない。

ポイント

  • より
  • 等号は

よくある間違い

  • を見つけた後、商の2次式でもう一度 が根になること(重解)を見逃し、 で止まる。
  • 条件 を使わずに「常に成立」と主張する(、条件は本質的)。
  • 等号成立を だけと答える( でも 。因数 の零点を忘れない)。