数学II / 微分の考え
球に内接する円錐の最大体積
問題
半径 の球に内接する直円錐(頂点と底面の円周がすべて球面上にある円錐)のうち、体積が最大のものについて、高さと最大の体積を求めよ。
ヒントを見る
立体のまま考えず、球の中心を通る断面で切る。半径・高さ・底面半径の関係が三平方で 本の式になり、体積が 変数の関数に落ちる。定義域の確認まで。
解答・解説
方針
球の中心を通る断面で切って平面の問題にする。高さを とすると、三平方の定理で底面の半径の 乗が と書ける。体積 が だけの 次関数になるので、微分して最大を探す。定義域は 。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 球に内接する円錐の体積を最大化する。立体のままでは扱いにくい。
球の中心を通る平面で切ると、円の中に三角形が入った平面の図になる。ここで三平方の定理が使える。
高さを とおくと、底面の半径の 乗が と書ける。
体積 に代入すると、 は だけの 次関数。微分して最大を探す。定義域は 。
① 断面図で関係式を作る。 球の中心 を通り、円錐の軸を含む平面で切る。円錐の高さを ()、底面の半径を とすると、底面の中心は軸の上にあり、 から底面までの距離は 。底面の円周上の点までが球の半径 だから、三平方の定理で
② 体積を だけの式にする。
③ 微分して最大を探す。
で の符号は、 で正、 で負。よって で極大かつ最大になる。なぜ端を調べなくてよいかというと、、 ではどちらも となり、内部の極大が全体の最大になるからだ。
④ 最大値を計算する。
高さ のとき最大体積 。このとき で、底面の半径は である。
まとめ:立体の最大最小は「断面で切って三平方 → 変数化 → 微分」の三段跳びが基本。高さ は直径 の にあたる — 球に内接する円錐の最大は「高さが直径の 」と覚えておくと検算に使える。
発展 — 一歩先へ。 制約つき最大化は、微分でも相加相乗平均でも解ける。相加相乗は「和が一定なら積は等しいとき最大」を使うので、 を和が一定な 数の積に変形するのがコツ。より一般には、比を保つ分割(ラグランジュの未定乗数法)で、球に内接する最大体積の円錐が高さ:半径をどう選ぶかが決まる。
高さ のとき最大体積
別解
別解 — 相加相乗平均で微分なしに最大(得意な人向けの視点)。 体積を整理すると、 だから
を最大にしたい。相加相乗平均を使うため、和が一定になる つに分ける。 の和は で一定。
相加相乗平均より、和が一定なら積は つが等しいとき最大。 から 。
このとき 、。よって 。
微分して から を出す本解と同じ。和が一定な 数に割って相加相乗平均、という一手で、微分せずに最大の高さ が出る。
ポイント
- 断面図で (三平方)。
- 定義域 の内部でただ つの極大 → それが最大。
よくある間違い
- 球の中心を通る断面をとらず、立体のまま と の関係を立てられない。
- 三平方の関係を誤り、 の代わりに 等としてしまう。
- 定義域 を落とし、 の解 (体積 )を最大と混同する。