数学II / 微分の考え
3次関数のグラフの点対称性(論証)
問題
とし、曲線 上の点 を考える。
(1) 曲線 は点 に関して対称であることを示せ。
(2) 点 を通る直線が と異なる 点で交わるとき、 は残り つの交点を結ぶ線分の中点であることを示せ。
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『点 に関して対称』の定義を式で書けるか — がつねに何になればよいか。中心の見当は、極大点と極小点の中点から。
解答・解説
方針
(1)「点 に関して対称」⟺ すべての で 。左辺を実際に展開して確かめる。(2)は、交点全体が対称移動で保たれることと、 自身が曲線上の交点であることを組み合わせる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 (1)「点 に関して対称」とは何か。点対称は「その点を中心に 回すと重なる」こと。
式で書くと、 と (中心から左右に等距離)での値の平均が、つねに中心の高さ に等しいこと。
つまり、すべての で 。左辺を実際に展開して確かめる。
(2)は、直線と曲線の交点全体が点 を中心とする対称移動で保たれること、そして 自身も交点であること、を組み合わせる。
① (1) 中心の値を確認する。 。示すべきことは、すべての実数 について となることである。
② 実際に計算する。 を展開すると
を に置きかえると 。足すと
奇数次の項(、)がすべて打ち消し合い、 によらず一定になる。よって、点 と点 はつねに に関して対称の位置にあり、 は に関して対称である。(証明終)
③ (2) 交点の集合に対称性を働かせる。 を通る直線 は、 に関する対称移動で自分自身に移る。曲線 も(1)より自分自身に移る。したがって「 と の交点の集合」も、この対称移動でそっくり自分自身に移る。
交点が異なる 点のとき、対称移動は 点の集合を入れかえるが、 点ずつ組になって移り合うと 点が必ず余る。余った 点は対称移動で動かない点、すなわち中心 自身である( より は実際に 上にあり、交点になり得る)。残りの 点は互いに移り合うから、 はその 点の中点である。(証明終)
まとめ: 次関数のグラフはどれも 点(この問題では )に関して点対称で、その中心は極大点と極小点の中点でもある。(2)のように「図形の対称性を、集合の言葉で使う」論証は難関大の頻出パターンだ。
発展 — 一歩先へ。 どんな 次関数 も、変曲点 に関して点対称。本問の はまさに変曲点だ()。中心を原点にずらすと の奇関数になる。「 次関数は変曲点対称」は、グラフの概形を素早くつかむ強力な事実だ。
で、(恒等的)が成り立つ。(2)は対称性から従う。証明は解答参照
別解
別解 — 中心を原点にずらして「奇関数」を見る(得意な人向けの視点)。 点 が対称の中心なら、中心を原点に移すと「原点対称=奇関数」になるはず。座標を平行移動して確かめる。
、 とおく。 を計算する。
だから 。
これは の奇数乗だけの奇関数( で符号が反転)。奇関数は原点対称。もとに戻せば、曲線は点 に関して対称。
を展開で示す本解と同じ。「対称の中心を原点に運ぶと奇関数」という見方は、 次関数がつねに変曲点に関して点対称であること(変曲点 )の一般論にそのままつながる。
ポイント
- 対称の定義: が恒等的に成り立つこと。
- (2)は交点集合が対称移動で保たれることから、固定点= が交点に含まれると論じる。
よくある間違い
- 点対称の条件を (線対称)と取り違える(正しくは和が )。
- (1)で を確かめず、対称の中心の高さを取り違える。
- (2)で「交点全体が対称移動で保たれる」だけで済ませ、 自身が交点である点を使い忘れる。