数学II / 微分の考え

接線の再交点と傾きの比(論証)

★★★★ 難関接線論証

問題

曲線 上の原点以外の点 における接線が、 と再び交わる点を とする。 における の接線の傾きは、 における接線の傾きのちょうど 倍であることを示せ。

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接点 での接線と曲線の交点方程式は、 で重解をもつはず。因数分解すれば の座標が で書ける — あとは傾きの比較だけ。

解答・解説

方針

()とおいて接線を作り、曲線との交点方程式を解く。接点 が重解になることを使って因数分解すると 座標が で表せる。あとは に代入して比べる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 接線が曲線と「再び交わる」点を追う問題。点 を文字でおくのが出発点。

()とおいて接線を作り、曲線 との交点方程式を立てる。

は接点だから、この方程式で は重解になる。重解を因数にくくり出せば、残りの解= 座標が で表せる。

あとは を入れて、傾きを比べるだけ。

① 接線を作る。 ()とおく。 より接線は

② 再交点 を求める。 曲線との交点は 、すなわち

で接している(重解)ことが分かっているから、 でくくれるはずだ。実際に割ると

よって再交点は 、すなわち だから で、確かに「再び交わる」。

xyOP(1, 1)Q(−2, −8)
t=1 の例。P(1,1) の接線(赤)は Q(−2,−8) で再交差し、Q での接線(破線)の傾きは 4 倍になる

③ 傾きを比べる。 での傾きは での傾きは

より だから、比はつねに 倍である。(証明終)

まとめ:接線と曲線の交点方程式では「接点=重解」が最大の武器で、因数分解が機械的に進む。再交点が になるのは、 解の和が ( の項がない)ことからも と即座に読める — 解と係数の関係で検算できる。

発展 — 一歩先へ。 の接線が曲線と再び交わる点は、いつも接点の 倍の位置。これは 次曲線上の点の「足し算」(楕円曲線の群構造)の原型で、 点の接線が曲線と交わる第 点をとる操作が「 倍」に対応する。暗号にも使われる楕円曲線の加法の、最も簡単な姿がここにある。

のとき で、傾きは ( 倍)。証明は解答参照

別解

別解 — 解と係数の関係で を一発で出す(得意な人向けの視点)。 接線と曲線の交点方程式は 。この 次方程式の解が、 つの交点の 座標だ。

は接点なので が重解。つまり解は と、もう

ここで解と係数の関係を使う。 には の項がない(係数 )から、 解の和は

因数分解せずに 座標 が出た。 に入れると傾きは 倍。 と因数分解する本解と同じ 。「 の項がない 解の和 」を使うと、割り算いらずで第 の解が求まる。

ポイント

  • 接点 は交点方程式の重解 → と因数分解。
  • 解の和 (係数)からも再交点 が読める。

よくある間違い

  • が接点だから交点方程式で が重解になる、という事実を使わず因数分解に詰まる。
  • 座標 を求めて、傾きを比べる最後の一手( 代入)を忘れる。
  • (原点)を除く条件を書き落とす(原点では接線が と再交しない)。