数学II / 微分の考え

絶対値つき3次関数の最大値

★★★★ 難関最大・最小絶対値場合分け

問題

とする。関数 における最大値 を求めよ。

ヒントを見る

絶対値の中身のグラフをかいて折り返し、区間の右端 を動かすイメージで考える。最大値の『主役』が交代する瞬間が 回ある — それぞれどこで起きるか。

解答・解説

方針

まず のグラフを でかく( 軸より下を折り返す)。区間の右端 から増やしていき、最大値の「主役」が交代する を探す。山の高さ と、折り返し後に再び に並ぶ位置がカギ。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 絶対値つきの最大値。まず のグラフを で描く。 軸より下の部分を上へ折り返す。

区間の右端 から少しずつ増やしていくと、最大値をとる場所が移り変わる。

はじめは折り返した山を登るが、山の頂上(高さ )で頭打ちになる。

さらに を進めると、 が大きい側で が再び高さ に並び、そこを追い越すと右端が主役になる。この「主役交代」の を境に場合分けする。

① グラフを作る。 以下、 以上。だから

前半は より で山になり、高さは 。その後 まで下がり、以降は増加する。

② 「高さ に追いつく位置」を求める。 増加部分が山の高さ と並ぶのは のとき。移項して因数分解すると

の解は 。つまり で再び高さ に到達する。

xyO(1, 2)(2, 2)12
y=|x³−3x|(x≥0)。x=1 の山(高さ2)のあと √3 で 0 に触れ、x=2 で再び高さ 2 に並ぶ

③ 右端 を動かして場合分けする。

  • :区間内で は増加中。最大は右端で
  • :山 が区間に入り、右端はまだ高さ 未満。
  • :右端が山を追い越す。

境目では となり、どちらもつながっている(場合分けの検算になる)。

まとめ:区間の端が動く最大値問題は、「グラフのどの部分が最大を担当しているか」の交代劇を追う。絶対値の折り返しで山ができるため、山の高さと『追いつく位置』の つが場合分けの境目になる。

発展 — 一歩先へ。 区間の端を動かしたときの最大値 は、いくつかの区間ごとに違う式になる「区分関数」。境目では左右の式の値がつながる(連続)。パラメータつき最大最小は、こうして「主役が交代する点」で場合分けするのが要。 自身のグラフを描くと、折れ線的につながる様子が見える。

のとき のとき のとき

別解

別解 — つの候補の背比べ(苦手な人向けの整理ルート)。 最大値の候補は つしかない。ひとつは折り返した山の頂上の高さ 。もうひとつは区間の右端 での値

が小さいうち()は、まだ山を登っている途中。右端 が一番高い。 の値で

を超えると山の頂上(高さ )を過ぎる。しばらくは頂上の が最大。右端の値が に追いつくのは、 すなわち から のとき。

になると、右端で登っていく を追い越し、右端が主役に戻る。

グラフを描いて追う本解と同じ 段の場合分け。「頂上の 」と「右端の値」のどちらが大きいかを比べる、と割り切ると境目 がはっきりする。

ポイント

  • 折り返した山の高さ ()と、追いつく位置 が境目。
  • 境目で値がつながることを確かめると場合分けの検算になる。

よくある間違い

  • 絶対値の折り返し( 軸の下を上へ)を忘れ、 のまま最大を探す。
  • 山の高さ に右端が再び並ぶ位置 ()を求め損ねる。
  • 場合分けの境目 (頂上)と (右端が追いつく)のどちらかを落とす。