数学II / 微分の考え
極値の計算
問題
関数 の極値を求めよ。
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微分して の を出し、増減表を書く。極値の『値』を答えるときは、忘れずにもとの に代入すること( に入れてしまうミスが多い)。
解答・解説
方針
の解を求め、符号の変化から極大・極小を判定する。それぞれの を に代入して極値を出す。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 手順は前問と同じ。微分して、 とおいて、増減表。
手順1: 導関数を求め、因数分解する。
因数分解しておくと、符号が読みやすい。
手順2: 増減表。 の符号を、 つの区間で調べる。
| 増加 | 極大 | 減少 | 極小 | 増加 |
手順3: 極値を計算する。
を因数分解すると、符号の判定が一瞬でできる — 展開したままだと、符号を読み違えやすい。
① を解く。
② 符号と極値を調べる。 は で正、 で負、 で正。
- :正→負 で極大。。
- :負→正 で極小。。
まとめ:手順は極値の基本と同じ。 の符号を数直線で見て、山と谷を決め、 に代入して値を出す。
発展 — 一歩先へ。 極大・極小の判定には、 階微分を使う方法もある。増減表より速いことがある。
なぜか。
- → 傾きが減っていく → グラフは上に凸(山型)→ その頂上だから極大
- → 傾きが増えていく → グラフは下に凸(谷型)→ その底だから極小
この問題で確かめる。
で: → 極大 ✓
で: → 極小 ✓
増減表を書かずに、代入 回で判定できた。
しかし、この方法には落とし穴がある。
のときは、判定できない。
例: 。 、。
で 、そして — 階微分の判定法が使えない。
しかし、実際には で極小( は 字型で、原点が最下点)。
もう つの例: 。 、 — こちらは極値でない(変曲点)。
のときは、極値かもしれないし、そうでないかもしれない。 増減表に戻って、 の符号変化を調べるしかない。
つの方法の使い分け。
| 階微分の判定 | 増減表 | |
|---|---|---|
| 速さ | 速い(代入だけ) | 遅い(符号を調べる) |
| 確実性 | で破綻 | 常に有効 |
| グラフの情報 | 極値の判定のみ | 全体の増減が分かる |
答案では増減表を書くのが安全(グラフの概形も同時に示せる)。検算には 階微分が速い。
道具は複数持ち、状況で使い分ける — それが「解ける」ということである。
極大値 ()、極小値 ()
別解
微分する前に、グラフの概形を"予想"する。 元の関数を因数分解すれば、 軸との交点が分かり、形が見えてくる。答えを予測してから計算するのが、上級者の作法だ。
まず、元の関数を因数分解する。
軸との交点( となる )を読む。
が重解である — これは重要な情報だ。
重解 グラフが 軸に"接する"。
ここまでで、グラフの形がほぼ見えてくる。
- で 軸に接する(突き抜けない)
- で 軸を横切る
- 次の係数が正なので、右端は上がり、左端は下がる
この つから、グラフを描いてみよう。
左から上ってきて、 で 軸に接し(ここが山の頂上!)、いったん下がって谷を作り、 で 軸を突き抜けて、上昇していく。
微分する前に、答えの形が予想できた。
なぜ「 軸に接する 極値」なのか。 グラフが 軸に接するとき、そこで接線が水平になる( 軸そのものが接線だから)。接線が水平 極値の候補 ✓
さて、微分で確かめる。
予想通り、 が極値(極大値 )✓
極小は (予想した「 と のあいだ」に、確かに入っている)✓
予想と計算が一致した。
この「予想 → 計算 → 照合」というプロセスが、ミスを防ぐ。
もし計算結果が「極大値 、極小値 」などと出たら、予想と食い違う — その時点で、計算ミスに気づける。
因数分解から読み取れる情報を、整理しておこう。
| 因数分解の形 | 軸との関係 | 意味 |
|---|---|---|
| 横切る | 単純な交点 | |
| 接する | そこで極値(接線が水平) | |
| 横切る(水平に) | 変曲点(接線は水平だが極値でない) |
の原点が「 なのに極値でない」のは、 という 乗の形だから — この表が、その理由を説明している。
式の"形"を読むだけで、グラフが見える。 微分は、その予想を確認し、正確な値を与えてくれる道具である。
ポイント
- の符号で判定。
- 極値は に代入して求める(値は 、位置は )。
よくある間違い
- の因数分解を誤り、 の解を落とす
- 極大値 を「極値なし」と勘違いする(値が でも、立派な極大値)
- 増減表を書かずに、 の解だけで極大・極小を決めつける