数学II / 微分の考え

接線の方程式(2)

★ 基礎接線

問題

曲線 上の点 における接線の方程式を求めよ。

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手順は、導関数 → 接点の を代入して傾き → 点と傾きから直線の式。 座標が負の点を通るときの整理だけ丁寧に。

解答・解説

方針

点での微分係数を傾きにする。 を求め、点 を通る直線を作る。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 前問と、まったく同じ手順だ。

手順1: 導関数を求める。

手順2: 接点での傾きを計算する。

手順3: 点 を通り、傾き の直線。

符号に注意。 接点の 座標が負のとき、ここで事故が起きやすい。

検算しよう。 接点 を代入すると 確かに通る。

公式接線

① 傾きを求める。 なので

② 点 を通る直線を作る。

xyO(2,−2)
y=x²−3x の点(2,−2)での接線 y=x−4

発展 — 一歩先へ。 は、 を平行移動したグラフだ。平行移動と接線の関係を見ておこう。

平方完成する。

頂点は を、右に 、下に 動かしたものだ。

では、接線はどうなるか。

での接線は、傾き だった。

平行移動すると、 に移る。

この点での接線の傾きを計算すると

傾きは のまま!

当然だ。 グラフ全体を、形を変えずにずらしただけなのだから、各点での"傾き"も、そのまま平行移動される。

式でも確かめられる。

微分すると、(縦の移動)は消え、 の中に残る。 つまり「 だけずれた場所での、元の傾き」— 傾きの分布ごと、平行移動している。

この性質は「微分は平行移動に対して自然に振る舞う」ことを意味する。

そして、これは物理の"ガリレイの相対性"に対応する。 「等速で動く電車の中で物を落としても、地上と同じように落ちる」— 座標を平行移動しても、物理法則(微分方程式)は変わらない。

「移動しても変わらないもの」を探すこと — それが物理学の中心的な問いであり、対称性と保存則(ネーターの定理)という深い理論につながっていく。

接線の傾きが平行移動で変わらない、という小さな観察。 そこにも、世界の対称性の影がある。

別解

公式を使わず、微分係数の定義から傾きを出してみる。 そして「本当に接しているか」を、代数的に検証する。

定義から を計算する。

分子を計算する。

で割る。

公式()と同じ答え。

さて、「本当に接しているか」を確かめよう。

曲線と接線の差を計算する。

完全平方! になった。

この式が語ること。

つまり

  • 曲線は、接線より"上"にある(または同じ高さ)
  • でだけ、ぴったり触れる(等号成立)
  • 他の点では、必ず接線より上(離れている)

これが「接する」ということの、代数的な姿だ。

点でだけ触れて、他では離れている」 — 交わる(突き抜ける)のとは違う。

比較: 接線でない直線ならどうなるか。

たとえば ( を通るが、傾きが違う)。

つの 次式の積 になる。 点で交わっている。

符号も変わる( では負、その外では正)— 曲線が直線を"突き抜けて"いる。

「重解になる 接する」 — 数Iで学んだこの事実が、微分で求めた接線でも、ちゃんと成り立っている ✓

つの単元( 次関数と微分)が、同じ結論に到達した。 数学の異なる道具が、同じ真実を語る — この一致こそが、理論の正しさを支えている。

ポイント

  • 接線の傾き
  • 点を通る直線の式に代入して整理する。

よくある間違い

  • としてしまう(接点の 座標が負のときの符号ミス)
  • の計算で を落とす
  • 接点が曲線上にあることを確認しない( になるか、まず確かめる)